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FL-netとは

FL-netとは、イーサネットを採用し、コモンメモリシステムを基本とする産業用オープンネットワークです。FA、PAなどの分野で、プログラマブルコントローラ(PLC)、ロボットコントローラ(RC)、数値制御装置(CNC)などの制御装置(コントローラ)やパソコン(PC)などを相互接続し、制御・監視を行う目的でよく使用されています。
FL-net Ver.3では、コモンメモリシステム上に搭載する入出力機器を仕様化し、コントローラレベルに加え、デバイスレベルにも対応しました。FL-netに関する情報は、一般社団法人 日本電機工業会(略称:JEMA)のホームページをご参照ください。

FL-netとは、イーサネットを採用し、コモンメモリシステムを基本とする産業用オープンネットワークです。

特長

  1. オープン化/マルチベンダの実現
    多くの異なる製造業者のプログラマブルコントローラ(PLC)や数値制御装置(CNC)などのコントローラやパソコンなどを相互接続し制御・監視を実現することが可能です。

  2. 広く普及した標準規格に準拠
    OAの機器で標準となっているイーサネットをベースに、標準のUDP/IPを使って効率のよい通信を実現しています。イーサネットを採用しているため、
    1. 低価格
      普及している通信デバイスによって構成できるため、低価格を実現しています。
    2. ネットワーク機器が広く普及
      トランシーバやハブ、ケーブル、パソコン用LAN カードなど、イーサネット用として広く普及したネットワーク用機器を用いることができます。
    3. 将来の高速化
      将来1Gbps→10Gbpsと伝送速度の向上が期待できます。
    4. 光通信化
      イーサネット用に普及している光リピータなどを用いることによって、必要な部分を光ファイバ化することで、500m以上の長距離伝送を可能にし、耐ノイズ性の向上及び屋外配線時の雷サージ対策を可能にすることができます。

  3. FAコントローラ間に必要な通能をサポート
    使用者の要求仕様がスタートとなっているため、FAに必要な各種の特長を有しています。
    1. 大規模ネットワーク
      最大254台の機器(ノード)が接続できます。
    2. 用途に応じた2種類の通信機能
      サイクリック通信によって各ノードが同一のデータを常に共有できるコモンメモリ機能、及び必要なときに必要な情報だけをやり取りするメッセージ通信機能の両方をサポートしています。
    3. 大容量コモンメモリ
      コモンメモリは8Kビット+8Kワードと大容量です。
    4. 高速応答
      50ms/32ノード(2Kビット+2Kワード時)の高速応答が実現できます。
    5. マスタレス方式による高い信頼性
      マスタが存在しないことから、各ノードの参加・離脱がほかのノードの通信に影響を与えることなしに自由にできるため、どのノードも自由に電源のON/OFF又はメンテナンスなどが可能です。

コンセプト

  1. FL-netは、イーサネットをベースとしたFAコントロール・ネットワークです。
  2. FL-netは、サイクリック伝送機能及びメッセージ伝送機能をもっています。
  3. FL-netの基本的な考え方は次のとおりです。
    1. イーサネットをFAコントローラ間の通信媒体(物理レベル及びデータリンク)にしています。
    2. イーサネット上で普及しているUDP/IPを用い、基本的なデータ送達手段を実現しています。
    3. 上記の基本的なデータ送達手段を用いつつ、ネットワーク内各ノードの通信媒体アクセスを管理/制御(衝突回避)して、一定時間内の伝送を保証します。

FL-netのプロトコル

FL-netのプロトコル仕様書は、一般社団法人 日本電機工業会(略称:JEMA)のホームページからダウンロ−ド可能です。
FL-netは、次のように6つのプロトコル層から構成されています。

FL-netの6つのプロトコル層

トランスポート層及びネットワーク層ではUDP/IPまたはTCP/IPを用い、データリンク層及び物理層ではイーサネットを用います。

FAリンクプロトコル層の特長は、次に示すとおりです。

  1. マスターレス・トークン方式による送出管理を行い衝突を回避しています。
  2. トークンを一定時間で周廻させることによって、リフレッシュサイクル時間が規定可能です。
  3. サイクリックデータ送信後に、定められたトークンを送信します。
  4. 立ち上がり時一番若いノードからトークンを送信しています。
  5. 一定時間トークンが送信されない場合、次ノードがトークンを送信します。
  6. マスターレス・トークン方式によって、一部のノードが故障してもネットワークが停止することはありません。
  7. 運転モード(RUN/STOP)/ハード異常(ALARM)などの情報の管理テーブルを用意し他ノードの動作状態を参照できます。

データ通信の種類

FL-netのデータ通信は、サイクリック伝送及びメッセージ伝送をサポートしています。

FL-netのデータ通信は、サイクリック伝送及びメッセージ伝送をサポートしています。



  1. サイクリック伝送
    サイクリック伝送は、周期的なデータの伝送を行います。各ノードは、コモンメモリ(共通メモリ)を介して、データを共有できます。

    サイクリック伝送は、周期的なデータの伝送を行います。



  2. メッセージ伝送
    メッセージ伝送は、非周期的なデータの伝送を行います。通常は、送信要求があったときに、特定のノードに向けて通信を行います。

    メッセージ伝送は、非周期的なデータの伝送を行います。

プロトコル仕様のVer.1版→Ver.2版への変更点

主な変更点は、以下の通りです。

  1. Ver.1版は、トークンおよびデータが同一フレームに入っており、この方法が米国特許に抵触する可能性があります。
    Ver.2版は、特許抵触の可能性を回避するため、トークンとデータを別々のフレームに分割しました。
  2. ベンダ固有メッセージのサービスが追加されました。
    なお、Ver.1版対応の機器とVer.2版対応の機器では、接続の互換性はありません。

プロトコル仕様のVer.2版→Ver.3版への変更点

FL-net Ver.3はFL-net Ver.2の基本機能に加え、以下の仕様が拡張されています。

  1. 汎用通信重畳
    TCP/IPなどFAリンクプロトコル以外の通信の重畳が可能。
  2. ネットワーク設定
    ネットワークパラメータ設定用の専用サーバを搭載し、統合設定ツールから設定が可能。
  3. デバイスレベル対応
    固定マップ/任意マップによるIO定義を追加し、IO機器との接続が可能。

詳細は、一般社団法人 日本電機工業会(略称:JEMA)のホームページをご参照ください。