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ローコード開発
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ローコード開発とは?ノーコードとの違いや活用するメリットを解説

この記事がオススメな方

主な対象:小売業、医療関係、物流業、製造業、教育関係

  1. 社内管理ツールやアプリをローコードで開発したい方
  2. ローコード開発とノーコード開発の違いを知りたい方
  3. 業務効率化のためのアプリを作成したい方
  4. ローコード開発ツールの導入を検討している方

ドラッグ&ドロップ操作とコーディングを組み合わせたローコード開発は、ノーコード開発と従来の開発手法をバランス良く取り入れた、近年注目を集める開発手法です。今回は、ローコード開発でできることや近年注目を集めている背景、失敗しない開発ツールの選び方を詳しく解説します。ローコード開発のメリット・デメリットを知り、業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション、以下同じ)推進に役立てましょう。

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ローコード開発とは?

ローコード開発は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を使ってシステムやアプリを素早く構築できる開発手法です。

ドラッグ&ドロップの直感的な操作を基本とし、必要な部分のみコードを書き加えることで、スクラッチ開発より開発工数やコストを大幅に削減できます。

企業のDX推進や現場主導の業務アプリ開発に適しており、非エンジニアでも開発に参画しやすい点が魅力です。また、カスタマイズ性も持ち合わせているため、柔軟性を持ちながらもスピーディな開発を実現できます。

スクラッチ開発との違い

スクラッチ開発は、ゼロからプログラミングを行う従来の開発手法です。開発内容の自由度と拡張性にすぐれますが、開発期間とコストが大きく膨らみやすいのがデメリットです。

ローコード開発は用意されたコンポーネントを組み合わせつつ、必要な箇所だけコードで制御するため、スクラッチ開発よりも工数やコストがかかりません。

高度な機能やカスタマイズが必要な開発にはスクラッチ開発が適していますが、基本的な機能や一部のカスタマイズのみであれば、ローコード開発で十分に実現できます。

ノーコード開発との違い

ノーコード開発は、コードを一切使わず視覚的操作のみで開発する手法です。プログラミング知識いらずでスピーディな開発・構築が可能ですが、開発するサイトやアプリのカスタマイズ性には限界があります。

ローコード開発では、ノーコード開発の手法に加えてカスタムコードを追加できるため、ローコード開発よりも柔軟性が高いのが魅力です。また、スクラッチ開発に比べてコストもかからないため、バランスのよい開発が行えるといえます。

ローコード開発が注目されている背景

近年はDX推進やIT(インフォメーションテクノロジー、以下同じ)人材不足が加速しており、ローコード開発が注目されています。

DX推進が加速している

企業のデジタル化が急速に進む昨今、従来の開発スピードではビジネス変化に追いつけないケースが増えています。

ローコード開発は短期間で業務アプリを構築できるため、DX推進のスピードアップに貢献できます。現場担当者が主導する業務改善に活用しやすい柔軟性も、ローコード開発の魅力の1つです。

ノーコード開発よりも柔軟に対応できる

ノーコード開発よりも柔軟なカスタマイズが可能なローコード開発は、標準機能で足りない部分をコード追加で拡張できます。そのため、開発内容が多少複雑な場合でもスムーズに対応しやすいというメリットがあります。また、開発後の運用対応もスクラッチ開発より簡単に行えます。

IT人材が不足している

エンジニア不足が深刻化するなか、企業にはIT部門だけに依存しない開発体制が求められます。ローコード開発ツールは非エンジニアにも扱いやすく、業務担当者が主体となってアプリの開発を内製化できるため、開発人材不足の解消にも効果的です。

ローコード開発ツールの機能

ローコード開発ツールには、効率的な開発・運用に役立つさまざまな機能が備わっています。

ビジュアルモデリング機能

ドラッグ&ドロップ操作でフォームや画面構成を設計できるビジュアルモデリング機能は、非エンジニアでも直感的にUI(ユーザーインターフェース、以下同じ)設計ができるローコード開発ツールならではの機能です。

実際の画面イメージを見ながら構築できるため、仕様のすり合わせやプロトタイプの制作が素早く進むでしょう。

コンポーネントとテンプレート

ローコード開発では、あらかじめ用意されたUIコンポーネントやテンプレートを活用することで、スムーズな開発や既存システムとの同期を実現できます。これらのツールは、開発スピードの短縮に大いに役立ちます。

データベース連携機能

既存のデータベースやクラウドストレージとの連携機能があると、データベースの管理が容易になります。ノーコード開発導入時の課題となるデータの一元管理も、ローコード開発なら接続設定だけで連携でき、分析やレポートの作成も簡単に行えます。

ビジネスロジック定義機能

ビジネスロジック定義機能は、条件分岐・自動計算・ワークフローなどのルールを視覚的に定義できる機能です。コードを書く手間がかからないため、業務ルールの変更が生じた場合でも、現場担当者がすぐに修正できます。

アプリケーション管理機能

バージョン管理・アクセス権設定・デプロイ機能(アプリケーションやサービスをサーバー上に配置、展開して利用できる状態にする機能)など、運用面の管理機能が整っているのも、ローコード開発ツールの特徴です。これらの機能を活用すれば、運用担当者の負担軽減につながるでしょう。

ローコード開発のメリット

低コスト・ハイスピード・柔軟性を兼ね備えたローコード開発には、さまざまなメリットがあります。

柔軟性や拡張性にすぐれている

ローコード開発はGUIをベースにしつつ、必要に応じてコーディングできる柔軟性があります。

業務変更にともなう改修も簡単で、規模や要件に応じて段階的に拡張できる点が魅力です。基盤部分はノーコード、特殊要件はコードと使い分けながら対応できるため、中長期の運用にも適しています。

開発スピードが速い

ローコード開発では、視覚的な設計とテンプレートの活用によって、開発スピードが従来の開発手法よりもスピーディになります。

コード量が少ないためテストも短時間で済み、要件定義から短期間でのリリースを実現できます。アジャイル開発との相性がよく、早期のフィードバックを得やすいでしょう。

導入コストを抑えられる

ローコード開発は開発を行う際の人件費削減や、初期費用・運用コストも低く抑えられるのが大きなメリットです。クラウド型を採用すればインフラ構築も不要で、運用の手間もほとんどかかりません。中小企業や部門単位での導入にも適しています。

開発人材を確保しやすい

ローコード開発ツールはプログラミング初心者や非エンジニアでも扱えるため、社内のエンジニア不足の解決や組織内の開発体制の強化につながります。また、普段コーディングを行っている開発者も対応しやすく、属人化しにくい体制の構築が可能です。

ローコード開発のデメリット

ローコード開発にはさまざまなメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも考えられます。

カスタマイズ性が低い

ローコード開発はプラットフォームの提供する部品に依存するため、UIや機能の詳細なカスタマイズが難しいケースがあります。

元の開発ツールの仕様に合わない構成には無理が生じやすく、必要に応じて複雑なコーディングやスクラッチ開発の組み合わせが必要になる可能性もあります。

プラットフォームやツールへの依存度が高い

特定の開発ツールやサービスに依存することで、ツールの仕様変更や価格改定に影響を受けやすくなります。中長期的な運用を行う場合は、ベンダーロックインやサービス終了のリスクがあることを知った上で選択しましょう。

ツールの習得に時間やコストがかかる

ローコードツールの操作は直感的とはいえ、各ツールに応じた独自の操作方法や設定体系を覚える必要は避けられません。社内で広く活用する場合は導入説明・マニュアル作成・運用ルール整備などの運用コストが発生するため、社内体制を整える必要もあります。

ローコード開発ツールの選び方

ローコード開発を導入する際は、目的や運用規模に合った最適なツールを選ぶことが大切です。

開発要件から選ぶ

ツールを選ぶ際は、Webサイト・業務アプリ・EC(エレクトロニックコマース)サイトなどの開発要件に応じて、対応する機能を搭載したツールを選びましょう。ツールにはAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース、以下同じ)連携・BI(ビジネス・インテリジェンス)機能・モバイル対応・帳票生成などのさまざまな機能があるため、開発に必要な機能を確認した上で選定することが重要です。

利用規模から選ぶ

開発ツールのユーザー数や利用規模も、重要なチェックポイントの1つです。ユーザー数の多い開発ツールは過去の開発事例が多く、開発する上で参考にしやすいメリットがあります。また、利用規模が大きいほど、サポート体制も充実している傾向が見られます。

既存システムとの連携のしやすさや拡張性から選ぶ

既存の業務システムやクラウドサービスとの連携を行う場合は、ツールの拡張性や連携機能も確認しましょう。APIやデータベース接続、エクスポート・インポート機能を備えているか、将来的にコードを追加して拡張できるかなど、導入後の運用方法も視野に入れて選定することが大切です。

サポートの充実度で選ぶ

導入・運用後のトラブル発生時に困らないよう、日本語でのサポート体制やナレッジ・コミュニティの充実さも確認しておきましょう。中長期的にツールを利用する際は、現場や管理部門が安心して使えるよう、サポートが手厚いツールを選ぶことをおすすめします。

開発者のプログラミングスキルから選ぶ

ローコード開発は部分的にコーディングが必要になるため、社内の開発者のスキルに応じて選ぶという視点も欠かせません。プログラミングスキルが高い技術者がいない場合は、コードの記述が必要な割合が少ないものを選定しましょう。

ローコード開発ツールの導入の流れ

ローコード開発の導入は、要件定義・ツールの選定・プロトタイプの制作と検証・本番導入・改善の順で進めます。要件定義では業務フロー・必要な機能・既存環境の連携要件を明確にし、小規模なプロトタイプで動作確認します。本番導入前には、運用体制やガバナンスルールを整え、使用者向けのサポート準備も行いましょう。導入後は利用状況を定期的にモニタリングし、継続的に改善・拡張していくことが重要です。

<ローコード開発ツールの導入の流れ>

  1. 要件定義
  2. 開発ツールの選定
  3. プロトタイプの制作・検証
  4. 本番導入
  5. 改善

まとめ

基本的なプログラミング知識のみでサイトやアプリを制作できるローコード開発は、その柔軟性と導入の手軽さから、さまざまな企業で導入が進んでいます。

日立ケーイーシステムズは、ノーコード・ローコードツール「kintone」を提供するサイボウズのオフィシャルパートナーです。システム導入支援・システム構築サービス・アプリ開発支援サービスなどの豊富なサービスを展開しているので、これからkintoneの導入を考えている人は、ぜひ弊社のkintoneサービスをご利用ください。

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