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kintoneテーブル機能の使い方とは?設定手順から活用事例まで解説
この記事がオススメな方
主な対象:小売業、医療関係、物流業、製造業、教育関係
- 見積書や請求書のように、1つのレコード内で明細行を管理する方法を調べている。
- 顧客ごとの対応履歴や購入履歴を、時系列で追加・記録するアプリを作りたい。
- テーブルに入力した数値の合計を集計したり、グラフ化したりする方法を確認している。
- テーブルデータを他アプリへ転記・連携する際の制約や、効率的な方法を探している。
こんにちは。サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」の導入・開発を支援する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
見積書や請求書の明細、顧客ごとの対応履歴など、「1つのデータの中に複数の情報をリスト化して管理したい」など、効率化に悩んでいる人もいるでしょう。そのような場合はkintoneの「テーブル機能」を活用すれば、1つのレコード(フォームの複数データを纏めた1つの単位、以下同じ)内に行数を増減できる明細欄を作成し、わかりやすく情報を整理できます。
本記事では、kintoneテーブル機能の基本から設定手順、製造業や営業現場で役立つ具体的な活用事例などについて解説します。標準機能の制限やプラグイン情報も紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
kintoneのサービス詳細※本記事に記載のサービス・機能・サポート内容は一般的な情報であり、当社にて必ずしも対応を保証するものではございません。
目次
kintoneテーブル機能とは?
kintoneテーブル機能とは、1つのレコードに行を追加・削除できるリスト形式の入力欄を設ける機能です。kintoneのフィールド(情報を入力するための個別の入力枠、以下同じ)は1つにつき1つの情報しか持てませんが、テーブル化することで「商品名・単価・個数」といったセットの情報を、必要な行数だけ自由に入力できます。見積書や日報など、件数が変動するデータの管理に不可欠な機能です。
kintoneテーブル機能を使う3つのメリット
業務アプリを作成する際、テーブル機能を利用することで得られるおもなメリットは以下の3点です。
明細ごとにレコードを分けなくて済む
もしテーブル機能がない場合、見積書の明細が5行あれば、5回分のレコード登録が必要になるか、「商品1」「商品2」大量のフィールドを用意しなければなりません。テーブル機能を使えば、1つの「見積書レコード」に必要な分だけ明細行を追加して入力できます。1案件1レコードで完結するため、データの管理や検索がスムーズになります。
行数を自由に変えられる
あらかじめ複数のフィールドを用意する方法では、明細が1行しかないときに空欄が目立ち、逆に用意した以上の行数が必要になった場合は入力できなくなります。テーブル機能はボタン1つで入力時に即座に行を追加・削除できるため、入力内容のボリュームに合わせてフォームが変化します。常に最適な入力画面を維持できるため、画面スペースの無駄も省けます。
スクロールせずに情報を一覧できる
関連する情報が縦に長く羅列されていると、全体像を把握するために何度もスクロールしなければなりません。テーブル機能を使えば、関連する項目(日付、内容、担当者など)を横並びの1行にまとめ、リスト形式で表示できます。視線の移動が少なくて済むため、過去の履歴や内訳を理解しやすくなります。
kintoneテーブルの設定・作成手順
ここからは、kintoneのアプリでテーブルを作成する手順について解説します。
1. フォーム設定画面でテーブルを作成する
まず、アプリの設定画面を開き「フォーム」タブを選択します。テーブルに含めるフィールドを横一列に並べて配置し、一番右側にあるフィールドの右上にある歯車アイコンをクリックし、「設定」から「この行をテーブルにする」を選択します。 もしくは、「テーブル」パーツを配置してから、そのなかにテーブルに含めるフィールドをドラッグ&ドロップすることでも作成できます。
2. テーブル内にフィールドを配置・設定する
テーブルを作成した後も、フィールドの追加や並び替えが可能です。左側のパーツ一覧から必要なフィールドをドラッグ&ドロップでテーブルに放り込むと、新しい列として追加されます。また、テーブル内のフィールドをドラッグして順番を入れ替えることも可能です。各フィールドの歯車アイコンから、フィールド名や必須項目の設定も忘れずに行いましょう。
3. フォームを保存してアプリを更新する
テーブルの構成が決まったら、画面左上の「フォームを保存」ボタンをクリックします。しかし、これだけでは実際のアプリには反映されません。必ず画面右上の「アプリを更新」ボタンをクリックし、変更を本番環境に適用してください。更新が完了すると、実際のレコード登録画面で「+」「-」ボタンが表示され、行の追加ができるようになっているはずです。
kintoneテーブル設定時の重要ポイント
テーブル機能は便利ですが、運用開始後の変更や連携を考慮し、初期設定時に押さえるべきポイントがあります。
連携・開発を見据えてフィールドコードを設定する
テーブルやフィールドには、必ずわかりやすい「フィールドコード」を設定しましょう。フィールドコードは、JavaScriptによるカスタマイズやプラグイン、外部システム連携の際にデータを識別するためのIDとなります。初期値のままだと「文字列__1行__1」のように判別しにくい名前になり、後々の設定ミスにつながりかねません。
テーブルに配置できるフィールドの種類を確認する
全てのフィールドがテーブル内に入れられるわけではありません。「文字列(1行)」「数値」「計算」「ドロップダウン」「日付」「ユーザー選択」「添付ファイル」などは配置可能ですが、「ラベル」「関連レコード一覧」「グループ」「スペース」などはテーブル内に配置できません。設計段階で、必要な項目がテーブル化可能か確認しておきましょう。
kintoneテーブルの具体的な活用事例
テーブル機能は工夫次第でさまざまな業務に応用可能です。ここでは、kintoneテーブルの具体的な活用シーンを紹介します。
見積書・請求書の明細管理
最も代表的な使い方が、帳票の明細行としての利用です。「商品名」「単価」「数量」「単位」「小計」をテーブル化し、小計には「単価×数量」の計算式を設定します。さらにテーブルの外に「合計金額」フィールドを配置し、SUM関数でテーブル内の小計を合計すれば、自動計算される見積書アプリが完成します。
患者の来院履歴や生徒の面談記録
顧客管理や生徒管理において、時系列の記録を残す際にも役立ちます。たとえば、1人の顧客レコードに「対応履歴テーブル」を作成し、「対応日」「担当者」「内容」「次回アクション」を記録していきます。こうすることで、その顧客に対する過去のやり取りが1つの画面内で時系列順に閲覧でき、最新の状況把握が容易になるでしょう。
配送ルートや積載荷物の管理
物流や製造現場では、配送便や製造ロットごとの管理にも活用可能です。たとえば「配送管理アプリ」で、1つの配送便レコードに「配送先リストテーブル」を作成します。「配送順」「届先名」「荷物内容」「到着予定時刻」をテーブルに入力することで、その便がどこを回るのかが一目瞭然になります。親データに対し複数の子データが紐づく構造の管理に最適です。
kintoneテーブルの制限と注意点
テーブル機能にも、標準機能だけでは対応できない制限や、運用上注意すべきデメリットも存在します。導入前に把握しておきましょう。
一度設定すると解除やフィールド移動が難しい
一度テーブルとして設定したフィールドを、後からテーブル外に出したいとなっても、ドラッグ操作で外に出すことはできません。一度テーブルごと削除して作り直す必要があり、その際、入力済みのデータは消失します。アプリの運用開始前にテーブルの構成を十分に検討し、テスト運用を行ってから確定させましょう。
一覧画面での表示や集計の制限がある
レコード一覧画面では、テーブル内のデータは基本的に全て表示されるため、行数が多いと画面が縦に間延びして見づらくなります。また、kintoneの標準グラフ機能でテーブル内の数値を集計する場合、「テーブルの行数分だけレコードがある」とみなして集計されるため、複雑なクロス集計や、テーブル内の特定条件のみを抽出した集計には工夫が必要です。
他アプリとの連携の壁がある
kintoneの「ルックアップ機能(他のアプリに登録されている情報を参照して、必要なデータを取得またはコピーする機能)」は便利ですが、テーブル内のフィールドをコピー元として指定することや、逆に取得したデータをテーブル内にセットすることには制約があります。また、「アクション機能」でデータを別アプリに転記する際、テーブルデータも転記可能ですが、転記先のアプリにも全く同じ構成のテーブルを用意しなければなりません。
テーブル機能を拡張する便利なプラグインやツールの活用術
標準機能の「かゆいところに手が届かない」部分は、プラグインや連携サービスを活用することで解決できます。
集計や一覧表示を強化するプラグイン
標準機能では難しい「テーブル内の条件付き集計」や「入力行の並び替え」「初期表示行数の設定」などは、無料・有料のプラグインで実現可能です。たとえば、テーブル行の集計を強化するものや、並び替えを可能にするプラグインがあります。また、外部の人に見やすい形式でテーブルデータを公開・共有できるプラグインも利用可能です。
テーブルへのデータ転送・自動入力を実現するツール
データ編集プラグインを利用すれば、テーブル内のデータを集計して別アプリのフィールドに書き出したり、逆に複数レコードをまとめて1つのアプリのテーブルに変換したりといったデータ加工が可能になります。これにより、「注文アプリ」のデータを「出荷管理アプリ」へ自動分解して登録するなど、複雑な連携処理をノーコードで実現できます。
kintoneテーブルに関するよくある質問
最後に、kintoneテーブル機能を利用する際によくある疑問と、その回答をまとめました。
テーブルの行数をあらかじめ固定できますか?
kintoneの標準機能では、新規レコード作成時のテーブル行数は「1行」と決まっており、任意の行数に固定できません。あらかじめ行数を確保したい場合は、JavaScriptによるカスタマイズや、専用のプラグインを導入する必要があります。
日立ケーイーシステムズは「テーブル設定プラグイン」を提供しています。 このプラグインを使うと、新規レコード作成時のテーブル行数を任意の行数に変更できます。 また、行ごとに異なる初期値を設定できるようになるため、請求書・見積書などを作る際に、最低限の入力でレコードが完成します。初期値の設定は10列・100行まで対応しているため、必要な情報を漏れなく管理できます。
テーブル内のデータをCSVで書き出せますか?
はい、可能です。ファイル書き出しのオプションでテーブル内のフィールドを含めると、テーブルの1行がCSVの1行として出力されます。この際、レコード番号などの共通項目は、明細行の数だけ同じ内容が繰り返されて出力される形式になります。
まとめ
kintoneテーブル機能は、見積明細や対応履歴など、変動する情報を1レコードに集約できる強力な機能です。適切に設定すれば、データの入力効率と可視性が飛躍的に向上します。一方で、後からの変更が難しい点や集計のクセなど、特有の制限も存在します。
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