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案件管理

kintone(キントーン)で変わる案件管理|導入メリットと運用を成功させるポイントを解説

この記事がオススメな方

主な対象:小売業、医療関係、物流業、製造業、教育関係

  1. 案件の進捗や情報共有を表計算ソフトで管理しているが、属人化や更新ミスが多発しており、もっと効率的な管理方法を探している方
  2. 案件管理のシステム化を検討しており、kintoneを使った場合にどんな運用が可能か、機能や活用事例を詳しく知りたいと考えている方

近年、案件の進捗管理や情報共有の煩雑さに悩む企業が増えています。特に表計算ソフトや紙ベースでの管理は、属人化や更新漏れなどのトラブルを招き、業務効率の低下にも影響を与えます。そのような課題を解決する手段が「kintoneによる案件管理」です。

業務情報を一元化し、対応履歴や進捗の可視化や関係者とのスムーズな連携が実現できます。この記事では、kintone導入のメリットや、運用を成功に導くポイントについて解説するため、ぜひ参考にしてください。

kintoneのサービス詳細

多くの企業が抱える案件管理の悩み

案件管理においては、情報の点在や対応履歴の見落とし、収支の不透明さなど、企業規模や業種を問わず共通の課題が存在します。ここでは、よくある悩みを整理しながら、現場でどのような支障が生じているのかを解説します。

進捗や対応履歴の把握が面倒になりがち

案件の進捗や対応履歴を表計算ソフトで管理していると、備考欄が肥大化し、情報が煩雑になりがちです。記入ミスや更新漏れが頻発し、リアルタイムな状況把握が難しくなるケースも少なくありません。特に、複数メンバーで同時に作業する場合、誰が何を対応したのか把握しづらく、業務の属人化や伝達ミスにつながります。結果として、納期遅延や対応漏れのリスクが高まり、信頼性の低下を招く要因になりやすいです。

顧客情報と案件データがバラバラに存在している

案件管理において、顧客情報と対応履歴、見積内容などがメールやチャット、表計算ソフトに分散してしまうことは少なくありません。必要な情報を探す手間が増え、対応に遅れが出る要因になります。

特に複数部署にまたがる案件では、どこに何があるかを把握しづらく、情報共有の抜け漏れが発生しがちです。結果として業務全体のスピード感が損なわれ、社内連携の非効率化を招いてしまいます。

案件ごとの収支が見えにくい

個別案件の稼働時間やコスト、請求額などが分かれて管理されていると、収支状況の把握が困難です。見積と実績の差が見えにくいため、赤字案件が発生しても気づけない状況に陥ります。また、振り返りや改善ができず、どの案件が利益を出しているのか判断できないまま運用が続くケースもあります。こうした不透明さは、経営判断や将来のリソース配分にも悪影響を及ぼしかねません。

kintoneでできる案件管理機能の一覧と特徴

kintoneには、案件管理に役立つ多彩な機能が標準搭載されています。アラート通知やコメント共有、進捗の可視化、アクセス制御などを活用することで、業務の効率化と情報の一元化を実現可能です。ここでは、代表的な機能とその特徴について解説します。

リマインダー機能|対応漏れを防ぐアラート設定

kintoneでは、タスク(個々の具体的な作業、以下同じ)ごとにリマインダー(アラート)を設定することが可能です。たとえば「〇月〇日に見積提出」といった期限付きの対応に対し、事前に通知を受け取れるよう設定できます。通知の条件やタイミングは個別にカスタマイズできるため、案件の重要度や担当者の業務スタイルに応じて柔軟に活用できます。納期管理や定期的な業務連絡など、スケジュールが絡む案件対応に効果的です。

ポータル機能|必要な情報を一画面で確認

ポータル機能では、案件の進捗状況や売上指標、最新の連絡事項などを1画面にまとめて表示できます。ユーザーごとに表示内容を切り替えることも可能で、必要な情報だけを見やすく整理できます。たとえば、営業担当は案件の一覧と対応状況、管理者は月次の集計データや社内通知などを設定可能です。日々の業務開始時に状況を俯瞰できる情報ハブとして活用されます。

コメント機能|業務のやり取りをアプリ内で完結

kintoneの各レコード(フォームの複数データを纏めた1つの単位、以下同じ)にはコメント欄を設けることができ、案件ごとのやり取りを時系列で記録可能です。コメントにはメンション機能(アプリで特定の相手に通知を届ける機能)もあり、関係者に通知が届く仕組みです。

たとえば、見積書の確認依頼や対応済連絡などを記録しておけば、口頭やメールでの確認を減らしながら、経緯をチームで共有できます。情報の蓄積にも役立つインラインコミュニケーション機能(メールやチャットで相手から届いた文章を引用し、その回答やコメントを引用文の間に挿入して返信するコミュニケーション機能)です。

プロセス管理機能|進捗状況をひと目で把握

プロセス管理機能を使えば、案件のステータスごとに処理段階を可視化できます。「受付・見積中・商談中・受注・完了」など、業務フローをあらかじめ設定しておけば、誰がどの段階を担当し、今どこで止まっているかがすぐに確認できます。

ステータス変更には操作権限を設定できるため、誤操作の防止も可能です。複数人で案件を進める業務に適した機能です。

アクセス権の設定|機密管理と情報共有を両立

kintoneでは、アプリ単位、フィールド(情報を入力するための個別の入力枠)単位、レコード単位でアクセス権を細かく設定できます。たとえば、営業担当者は自分の案件のみ閲覧・編集できる一方、管理者は全ての案件を参照・修正できるといった制御が可能です。

また、外部と共有が必要な場合でも、制限付きアクセスを設定すれば、セキュリティを保ちながら情報を扱えます。部門横断型の案件でも安心して活用できます。

案件管理でkintoneを導入する5つのメリット

kintoneを活用した案件管理は、従来の表計算ソフトや紙運用では実現しにくい多くのメリットをもたらしてくれます。情報の一元化や進捗の可視化、社内コミュニケーションの効率化など、業務全体の最適化に寄与する機能がそろっています。ここではkintoneを導入することで得られるメリットを解説します。

情報を一か所に集約できる

案件に関する情報がメールや表計算ソフトに散在していると、必要な情報を探すだけで時間を取られてしまいます。kintoneを使えば、顧客情報・対応履歴・見積・契約書などを1つのアプリにまとめて管理可能です。

関係者が同じ情報に即アクセスできるため、属人化や情報の抜け漏れを防ぎつつ、引き継ぎや確認作業の手間も大幅に削減され、全体の業務スピードが上がります。

進捗と工数をリアルタイムで可視化できる

案件の進捗が関係者に共有されていないと、対応の重複や手戻りが発生しやすくなります。kintoneでは、タスクのステータスや稼働時間をリアルタイムで把握できるため、誰がどこまで対応したかが常に明確です。

作業の偏りや遅延も事前に察知でき、リソース調整や工程の見直しにもつなげられるため、プロジェクト全体の安定した運営を実現できます。

社内の情報共有を高速化できる

情報共有にメールや口頭連絡を使っていると、伝達漏れや確認待ちが頻発します。kintoneでは、案件の更新やコメントが即座に関係者へ通知されるため、アプリ内で確認・対応が可能です。結果として、確認のやりとりにかかる時間が短縮され、部門間の連携もスムーズになります。特にリモートワークや多拠点展開のある企業で効果を発揮します。

レポート機能でデータ分析が簡単にできる

集計や分析のたびに表計算ソフトに転送していては、作業負荷が大きく、ミスも発生しやすくなります。kintoneのレポート機能(蓄積されたデータをグラフやクロス集計表として可視化し、業務の分析や進捗管理を効率化する機能)を使えば、案件データをもとに受注件数や売上推移などを自動でグラフ化できます。

視覚的なレポートがすぐに確認できるため、数字の傾向を把握しやすく、営業戦略の見直しや業務改善の判断にもスピーディに活用できます。

ペーパーレス化で業務の効率が上がる

書類を印刷・保管・手渡しで管理していると、手間もコストもかかります。kintone上で案件を一元管理することで、契約書や進捗管理などのやり取りを全て電子化できます。過去のやり取りも検索ですぐに見つけられ、確認や再利用も簡単です。紙を使わない運用が定着すれば、管理コストの削減と業務スピードの向上を同時に実現できます。

kintone活用を定着させるためのポイント

どれだけ優れたツールを導入しても、現場で定着しなければ効果は十分に発揮されません。kintoneを継続的に活用するには、システムの使いやすさだけでなく、導入プロセスや周囲の理解・共感が重要です。ここでは、現場に根付かせるために意識したい3つのポイントについて解説します。

現場を巻き込みながら運用を設計する

kintoneの導入を成功させるには、最初の設計段階から現場の声を積極的に取り入れることが重要です。業務の実態を知らないまま進めてしまうと、使い勝手にズレが生じて定着しません。現場のキーマンや利用頻度の高い担当者を早い段階から巻き込み、課題に即した設計や運用ルールを一緒に検討しましょう。初期構築時には、フィードバックを受けて柔軟に改善を繰り返す姿勢も欠かせません。

導入目的とメリットを明確に伝える

「なぜこのシステムを使うのか」が共有されていないと、導入が押しつけに感じられ、現場にうまく馴染まないことがあります。kintoneを導入する目的や業務改善への期待、日々の業務で得られる具体的なメリットを伝えることが大切です。

たとえば「案件の検索時間が短縮できる」「情報更新をリアルタイムで確認できる」など、具体的な効果を示しましょう。目的と意図が共有されることで、自発的な活用が生まれます。

小さく始めて素早く改善を重ねる

最初から完璧なアプリを目指すのではなく、業務の一部分から試験的に導入し、改善を重ねながらスモールスタートで展開するのが効果的です。対面で実際の操作を見せながら意見をもらい、現場に即した修正を迅速に反映することで、使いやすさと納得感が高まります。

「まずは使ってみる」「動く仕組みを見せる」を重ねることで、自然と活用が広がります。

まとめ

案件管理を効率化するには、属人化や情報の分散を防ぎ、進捗や収支をリアルタイムに把握できる仕組みが必要です。kintoneは、現場の業務に合わせたアプリを柔軟に構築でき、部門間の情報共有やプロセス管理を1つのプラットフォーム(システムやサービスが成り立つのに必要な基盤や環境)で実現します。

導入を成功させるには、単なるツール選びではなく、自社業務に即した設計と運用設計が欠かせません。日立ケーイーシステムズでは、kintoneを活用したアプリ開発支援やプラグイン開発、基幹システム(販売・会計・生産・在庫管理などの基幹業務を効率化するためのシステム)連携まで一貫したサービスを提供しています。はじめての導入で不安があったり、より高度な連携を検討したりする人は、以下のサービス詳細をご覧ください。

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