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kintone(キントーン)で現地作業管理する効果とは?|原価・工程・日報を一元化するメリットも解説
この記事がオススメな方
主な対象:小売業、医療関係、物流業、製造業、教育関係
- プロジェクト進行中に作業の進捗が把握しづらく、チームメンバーからの情報共有が不十分であることを実感した方。
- 業務の流れを簡略化し、業務効率を向上させるためのツールを探し始めた方。
- 現場作業の管理をよりスムーズに行いたいと考えている方。
こんにちは。サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」の導入・開発を支援する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
建設業や製造業では、工事や設備点検などの現地作業を効率的に管理することが重要ですが、アナログ管理に悩まされている企業は少なくありません。情報の共有がスムーズにできず、担当者以外が状況を把握できない「情報のサイロ化(企業内の各部門やシステム、データが孤立・分断され、互いに連携が取れない状態、以下同じ)」や、本社と現場の連携不足は、大きな業務ロスを生み出します。
本記事では、現場管理で直面する課題を整理しつつ、kintoneを導入することで得られる効果やメリットを解説します。
kintoneのサービス詳細現地作業の管理で直面している課題
建設業では、さまざまな現場で工事や設備点検といった作業が行われていますが、非効率なアナログ管理による業務の弊害が現在の課題です。多くの建設業が直面している課題を解説します。
現場と本社の連携が難しい
現場と本社の間の情報連携の難しさは、現地作業管理において特に深刻な課題です。
日々行われる作業の状況を本社がリアルタイムで把握することは困難で、従来の電話・メール・FAXでは、情報伝達の遅延や重要な情報の見落としが発生するリスクがあります。
また、営業メンバーが外出していると社内の情報が全く見えず、ほかのメンバーでは案件の詳細がわからないといった情報の不透明性が問題となることがあるでしょう。
アナログ管理により手間がかかる
建設業では、紙の書類や表計算ソフトといったアナログな方法での業務管理が、多大な手間と時間を要する原因となっています。
多くの場合、過去の情報を紙の書類で管理しているため、必要な情報を探すのに膨大な時間が費やされてしまうのです。
また、受注した建設・土木・工事の情報を表計算ソフトで管理していると、情報がバラバラに散らばり、必要なデータを検索するのに手間がかかるといった課題もあります。
担当者しか状況を把握できていない
情報が特定の担当者や部署に留まり、ほかの関係者が状況を把握できない「情報のサイロ化」も現地作業管理における重要な課題です。
建設業では、担当者しか工事の状況を詳細に把握できておらず、ほかの現場のノウハウが現場同士で共有されていないといった問題が頻繁に発生しています。
プロジェクト管理においても、表計算ソフトやメールでタスク(個々の具体的な作業、以下同じ)が個別に管理されていると、担当者や全体の進捗状況が一目で把握できず、いま誰がどのような対応をしているかがわからないのが現状です。
kintoneの導入で管理できる具体的な内容
kintoneは、表計算ソフトや紙などの古いシステムに依存した非効率な業務を改善し、すぐにシステム化を実現できるサイボウズのクラウドサービス(インターネットを通じて、サーバー、アプリケーションなどを利用できるサービス、以下同じ)です。具体的な特徴と機能を紹介します。
⼯事基本情報の管理
kintoneを導入することで、工事に関するあらゆる情報を一元的に管理することが可能になります。
具体的には、着工日・竣工日・完成期といった工事の日程情報や施主・設計会社・施工部署などの担当情報、さらに建物用途や構造といった物件情報をまとめて管理が可能です。
これにより、煩雑な情報が散在することなく、必要な情報に素早くアクセスできるようになるでしょう。
⽇報による⽇々の活動状況の管理
kintoneの日報アプリを利用すれば、日々の活動状況を効率的に管理できます。タブレットやスマートフォンからも日報の登録や閲覧が可能になるため、現場から直接、日々の作業状況を報告可能です。
現場作業員がkintoneライセンスを持たない場合でも、kintoneと連携できるサービスがあるため、間接的に作業日報の登録したり、過去の作業日報を閲覧したりすることもできます。
ヒヤリハット報告
ヒヤリハットアプリは、作業現場で発生したヒヤリハット事象をスピーディに上司へ報告するために役立ちます。(ヒヤリハット:業務中に「ヒヤリとした」「ハッとした」という危険な状況が発生した事象)
kintoneにヒヤリハット情報を登録することで、関係者へ通知が行き、現場で発生した危険な状況や経験を速やかに共有し、再発防止に繋げることができます。
⼯事基本情報の関連情報の紐づけ
kintoneでは、工事基本情報と関連する情報を効率的に紐づけることが可能です。
例えば、「工事コード」や「支店コード」などをキーとして利用し、日報やヒヤリハット報告などの情報を関連付けることで、全ての情報にアクセスできるようになります。
これにより、プロジェクトに関するやり取りを一元管理する場が提供され、関連ファイルだけでなく、日々のコミュニケーションも集約されるでしょう。
さらに、社外のメンバーとも効率的に情報共有を行うことができ、プロジェクトにまつわるやり取りの管理も可能になります。
⼯事従業者情報の管理
工事従業者アプリを用いることで、工事に関わるさまざまな人の情報を詳細に管理することができます。
従業員・委託契約者・協力会社の情報・経験年数・資格の取得状況・配属履歴・健康診断の受診状況・免許番号など、管理したい項目を自由に設定して一元管理することが可能です。
これにより、個々の作業員のスキルや状況を把握しやすくなり、適切な人員配置や安全管理に役立てることができるでしょう。
現地作業管理にkintoneを活用するメリット
IT(インフォメーションテクノロジー)の知識がなくても自社の業務に合わせたシステムをすぐに構築できるのがkintoneの強みです。kintone導入のメリットを見ていきましょう。
クラウド化により現地の作業状況をリアルタイムで確認できる
kintoneはクラウドサービスであるため、情報がクラウド上に共有され、各現場の作業状況をリアルタイムで確認できる点がメリットです。
建設業では、タブレットやスマートフォンから日報の登録や閲覧が可能になるため、現場から日々の作業状況を直接報告できます。
製造業においても、「図面管理」アプリを利用することで、図面データの変更内容や履歴をクラウド上で管理し、営業・設計・CAD部門がそれぞれ図面や日付、変化点を記録できます。
「設計対応中」や「設計着手」といった案件ごとの対応状況が可視化されるため、進捗管理が簡単です。
工程管理や在庫管理などを一元管理できる
kintoneを導入することで、あらゆる情報の一元管理が可能になり、工程管理や在庫管理といった業務も効率化されます。
「生産進捗管理(工程流動)」を使えば、製品や顧客ごとの生産進捗状況を管理でき、品目ごとに異なる工程でも自由にデータを登録し、各製品の進捗状況を把握可能です。
営業部門が受注数量や納期を、生産管理・製造部門がそれぞれ登録することで、データを参照しながらコメント機能で社内コミュニケーションを取ることができます。
どこにいてもkintoneへアクセスできる
kintoneはインターネット環境さえあれば、パソコン・スマートフォン・タブレットといったさまざまなデバイス(情報端末)から、アクセスできる点が大きなメリットです。
社外にいる営業メンバーも情報をリアルタイムで確認でき、担当営業が外出していてもほかのメンバーが案件の詳細を把握できます。
現場作業員もタブレットやスマートフォンから作業日報を登録・閲覧できるため、情報共有のスピードが向上し、さまざまな業務を迅速に遂行できます。
うっかり防止のリマインダー機能として使える
kintoneには、タスクの抜け漏れを防止するリマインダー(アラート)通知機能が備わっています。「対応期限1週間前」などの設定をしておくことで、自動でリマインド通知が届くため、重要な作業の忘れを予防できるでしょう。これにより、プロジェクトの進行をより確実にし、タスクの完了を支援します。
蓄積したデータをグラフ化できる
kintoneのグラフ・レポート機能(蓄積されたデータをグラフやクロス集計表として可視化し、業務の分析や進捗管理を効率化する機能)を活用すると、蓄積されたプロジェクトのデータを直感的に可視化できます。
担当者ごとの作業量や未処理の案件数など、プロジェクトの現状がリアルタイムにグラフに反映されるため、一目で把握可能です。
これにより、プロジェクト全体が可視化され、迅速な判断や改善策の立案に役立ちます。
閲覧制限による情報の管理ができる
kintoneでは、プロジェクトに関する全てのやり取りを一元管理する場が提供されるだけでなく、ゲストスペース機能を利用することで、外のメンバーとも効率的に情報共有できます。
社内メンバーはもちろん、必要に応じて外部の関係者とも情報を集約し、効率的なコミュニケーションを実現しながら、適切な範囲で情報へのアクセスを管理することが可能です。
情報の不透明性を解消しつつ、関係者が必要な情報にアクセスできる「見える化」を促進します。
プラグインやサービスと連携できる
kintoneは、豊富なプラグインや連携サービスを利用できる拡張性の高さも特長です。
自社に必要な機能を柔軟に追加・カスタマイズできるため、より効率的に業務を進められます。
作業効率化により工数・作業時間を短縮できる
kintoneの導入は、アナログ管理や表計算ソフトの運用による手間を大幅に削減するため、作業の効率化と工数の短縮に直結します。
現場サポート社の事例では、表計算ソフトで管理していた勤怠管理をkintoneに移行したことで、大幅な作業時間削減に成功した事例もあります。
また、顧客からの受注案件や進捗状況・見積書の作成・商品の発注などもkintone上で一元管理・作成できるようになり、作成時間の短縮が期待できます。
まとめ
現場作業の管理には、アナログな業務フローによる非効率さや情報共有の難しさといった課題が数多く存在します。
kintoneを導入すれば、工事基本情報や日報・工程管理などをクラウド上で一元化でき、担当者依存からの脱却や情報の可視化を実現可能です。
さらに、リアルタイムで現場と本社をつなぎ、作業効率の向上や工数削減にも直結します。建設業・製造業における業務改善の一手として、kintoneは現場管理の課題を解決する強力なツールとなるでしょう。
kintoneのサービス詳細