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センドバック修理の特徴とは?オンサイトとの違いや依頼方法、有効なケースを解説
この記事がオススメな方
主な対象:ファブレス企業、製品メーカ、セットメーカ
- センドバック修理とオンサイト修理の違いを知り、自社に最適な保守方法を選びたい。
- センドバック修理を依頼する際の流れや、委託先に確認すべきポイントを理解したい。
- センドバック修理にかかる費用相場を把握し、契約や予算の参考にしたい。
こんにちは。「フルライフサポートサービス」、「BPOサービス」でPC・IT機器の様々なお困りごとをワンストップで解決する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
企業が使用するパソコンや周辺機器に不具合が発生した際、主な修理方法としてあるのが「センドバック修理」と「オンサイト修理」です。どちらを選択するかによって、かかるコストや復旧までのスピードに大きな違いが生じます。
最適な保守契約を結ぶためには、それぞれの特徴を把握し、依頼の流れや依頼先に確認すべき内容について正しく理解しておくことが大切です。この記事では、センドバック修理の仕組みや有効なケース、費用の相場についてわかりやすく解説します。
PC・IT機器のフルライフサポートサービス BPOサービスの詳細センドバック修理とは
センドバック修理とは、故障した機器を修理拠点へ送り、復旧後に返却される仕組みです。自社で作業を行う必要がなく、多くの企業で利用されています。ここでは、センドバック修理の特徴や種類について解説します。
センドバック修理の特徴
センドバック修理は、障害が起きた機器を指定の窓口に送付し、修理や代替品への交換を受けられる仕組みです。担当者が現地に訪問する必要がなく、販売店へ持参する手間もかかりません。そのため効率的な保守が可能で、多くの企業が契約しています。
ただし、機器を送付している間は利用できない点に注意が必要です。代替機をあらかじめ届けてもらえるサービスもあり、停止時間を短縮したい企業に向いています。
センドバック修理の種類
センドバック修理には「先出し」と「後出し」の2方式があります。先出しは、事業者が代替品を先に送付し、受け取った利用者が故障品を返送する仕組みです。
一方、後出しは利用者が先に故障品を送り、その後修理や交換を受けます。後出しでは機器を使用できない期間が生じますが、その分契約費用が安く設定されています。事業の影響度や緊急性を考慮し、どちらの方式が自社に適しているか判断することが重要です。
オンサイト修理との違い
オンサイト修理は、障害が発生した現場へエンジニアが直接訪問し、その場で復旧作業を行うサービスです。サーバーやストレージなど大型機器の故障時に利用されることが多く、配送の手間をかけずに迅速な対応が受けられることが特徴です。
利用者の目の前で修理が行われるため安心感も得やすく、復旧後の注意点などを直接確認できるのも魅力です。ただし、出張費用や契約コストはセンドバック修理よりも高くなる傾向です。センドバック修理は拠点に機器を送るため、利用できない期間が生じますが費用を抑えられます。
緊急性を重視するならオンサイト、コストを抑えたいならセンドバックを利用するなど、自社の業務要件に合わせて選択することが重要です。
センドバック修理の流れ
センドバック修理を依頼する際は、窓口への連絡から修理完了品の返却まで一定の手順があります。流れを把握しておけば、トラブル発生時も落ち着いて対応でき、余計な時間のロスを防げます。ここでは、一般的な修理の流れを解説します。
障害発生時に窓口へ連絡する
対象の機器に不具合が発生した場合は、契約書やマニュアルに記載された窓口へ速やかに連絡します。受付窓口では障害状況を聞き取り、対応方法の初期判断を行います。遅れると業務停止が長引くため、障害を発見した時点で迅速に連絡することが重要です。
緊急性が高い場合は、専用のホットライン番号が用意されているケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
症状やシリアル番号を確認する
窓口からは機器のシリアル番号や障害の具体的な症状の確認があります。あらかじめ型番や設置場所を整理し、画面のスクリーンショットやログを用意しておくと対応が円滑に進みます。情報が少ないと診断が遅れるため、できる限り正確な内容を伝える姿勢が求められます。
伝えた内容は窓口で記録され、後に別の担当者が対応を引き継ぐ際の重要な手掛かりとなります。事前整理ができていれば同じ説明を繰り返す必要がなくなり、復旧までの手順を効率化できます。
対象機器を修理センターへ送付する
受付が完了したら、故障した機器を修理センターへ送付します。自社で梱包する場合は、輸送中の破損を防ぐため専用資材を使うようにしましょう。サービスによっては集荷業者が訪問し、回収してくれる場合もあります。
修理中に業務を止めたくない場合は、代替機の貸し出し有無も確認しておきましょう。送付の際は送り状番号(追跡番号)を控えて追跡できるようにすると、紛失などのリスクを減らせます。
修理完了品の返却と動作確認を行う
修理が完了すると、報告書を添えて返却されます。受け取ったらすぐに電源を入れ、正常に動作するかを確認しましょう。不具合が再発した場合は、保証範囲内で再修理が可能かどうかも確認が必要です。代替機を借りていた場合は、復旧が確認でき次第、返却手続きを完了させます。
センドバック修理を委託する際に確認すべきポイント
センドバック修理を外部に委託する場合、基本的な流れはどのサービスでも変わりません。ただし、サービスの品質は業者ごとに異なります。優良な業者を選ばなければ、復旧に時間がかかったり、追加費用が発生したりする恐れもあります。ここでは、委託先を選ぶ際に確認すべきポイントについて解説します。
問い合わせ対応のスピード
窓口対応の速さは信頼性を測る重要な基準です。たとえば「初回対応は1時間以内」「詳細回答は当日中」といったSLA(サービス基準)が明示されているかを確認しましょう。
メールや電話の対応履歴を提示できる業者であれば、過去の実績から信頼度を判断できます。FAQやチャットサポートの整備状況も合わせて確認すると安心です。
修理対象機器に関する専門知識と実績
委託先が対象機器にどれだけ精通しているかも重要なチェックポイントです。製造元や正規代理店であれば仕様の理解が深く、交換部品の入手ルートも確保されています。第三者保守業者に依頼する場合は、過去の修理実績や対応件数を公開しているかを必ず確認しましょう。
さらに、認定資格や専門技術者の在籍状況をチェックすれば、安心して任せられるかを見極めやすくなります。
夜間・休日のサポートの有無
障害は深夜や休日にも起こり得るため、サポート時間帯の確認は必須です。24時間365日対応の契約が理想ですが、その分コストも上がるため、自社の稼働時間と照らし合わせて判断しましょう。
たとえば平日昼間のみ稼働する業務なら日中対応で十分ですが、ECサイトや金融システムのように常時稼働が必要な業種は、夜間対応が不可欠です。
センドバック修理が有効なケース
センドバック修理は万能ではありません。機器の規模や業務の重要度、代替手段の有無などによって適性が分かれます。ここでは、センドバック修理が適しているケースについて解説します。
コストを抑えて修理したい場合
センドバック修理は、オンサイトに比べて出張費が不要なため料金を抑えられます。特に複合機やパソコンなど、小規模オフィスで利用する標準的な機器では有効です。日常的に大規模な障害対応が必要でない場合、コスト優先でセンドバックを選ぶ企業も少なくありません。
年間契約で割安になるプランを用意している業者もあるため、予算管理の観点でも適しています。
代替機があるため一時的な停止を許容できる場合
センドバック修理では修理中に機器を利用できない期間が発生します。代替機が確保されている環境であればこのリスクを回避できるため有効です。
たとえば、コールセンターや一般事務用パソコンで同型機をストックしている企業であれば、交換して業務を続けられます。業者によっては、先出しセンドバックにより代替機を迅速に提供してくれるため、事前に確認してみましょう。
小型機器で輸送が容易な場合
ノートパソコンやルーターなど、小型で梱包・輸送がしやすい機器の保証として考えている場合は、センドバック修理が最適です。大型サーバーのように設置撤去に専門技術が必要な機器とは異なり、宅配便で簡単に配送できます。
従業員が多拠点で働く企業や在宅勤務が中心の環境では、こうした小型機器の修理をセンドバックで一元管理することで、運用コストを抑えつつ効率的に対応できるでしょう。
地方拠点などオンサイト対応が難しい場合
地方や郊外の拠点は、オンサイト修理を依頼してもエンジニアの到着に時間がかかりがちです。その点、センドバック修理は宅配便を利用できるため、場所に関わらず一定の対応スピードを期待できます。
特にIT機器を多数展開する全国チェーンの店舗や支店において効果的です。輸送が難しい場合は、集荷サービスや梱包材提供の有無も事前に確認すると安心です。
センドバック修理にかかる費用の相場
センドバック修理の費用は「基本料金+作業料+部品代」が一般的な体系です。無償保証期間を過ぎると有償となり、依頼内容や製品カテゴリで費用が変動します。おおよその目安は以下の通りです。
| 項目 | 費用目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本作業料/診断料 | 7,000円〜15,000円 | 見積のみで中止しても請求される場合あり |
| マザーボード交換 | 40,000円〜100,000円以上 | サーバ・ワークステーションは高額傾向 |
| HDD交換 | 25,000円〜60,000円 | データ復旧が必要な場合は追加費用発生 |
| 電源ユニット交換 | 25,000円〜50,000円 | 高性能サーバ用は10万円を超える例もあり |
| 光学ドライブ交換 | 18,000円〜50,000円 | DVD/Blu-ray ドライブなど |
※一般的な修理価格です。日立ケーイーシステムズの修理価格ではありません。
これに加えて送料が必要であり、片道が利用者負担となるのが一般的です。代替機を用意するサービスを利用する場合は、その分の追加料金も見込んでおく必要があります。
まとめ
センドバック修理は、機器を修理センターへ送付して対応する効率的な保守方法です。オンサイト修理より費用を抑えやすい反面、修理中は機器を使えない期間が発生します。代替機がある環境や小型機器の保守、地方拠点では特に有効です。委託先を選ぶ際は、対応スピードや知識、サポート体制を確認しましょう。
IT機器の導入から運用・修理までを効率化したい場合は、アウトソーシングの活用も有効です。日立ケーイーシステムズのBPOサービス(フルライフサポートサービス)では、調達からキッティング、設置、導入後のサポートまでを一括支援しています。管理業務の軽減や人手不足の解消、コスト削減につながるため、自社の課題に応じた相談が可能です。
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