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失敗しないキッティング|導入手順から注意点、効率化のポイントまで詳しく解説

この記事がオススメな方

主な対象:ファブレス企業、製品メーカ、セットメーカ

  1. 自社で大量の業務用PCを導入する予定があり、効率的にキッティングを進める方法を調べている。
  2. 手作業によるキッティングで時間や人員が不足しており、クローニングやMDMで効率化できるかを検討している。
  3. 大規模導入や短納期に対応するため、外部のキッティングサービスのメリットや選び方を知りたい。

こんにちは。「フルライフサポートサービス」、「BPOサービス」でPC・IT機器の様々なお困りごとをワンストップで解決する日立ケーイーシステムズのライターチームです。

企業で利用するパソコンは、導入直後から業務に支障なく使える状態へ整える必要があります。とはいえ、設定や環境構築を1台ずつ行うのは時間も人手もかかり、導入規模が大きいほど負担が増してしまいます。

そこで欠かせないのが「キッティング」という手法です。ただし進め方を誤ると大きなロスやトラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。この記事では、キッティングの手順や注意点、効率化の方法までわかりやすく解説します。

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業務用パソコン導入に欠かせないキッティングとは

キッティングとは、業務用パソコンを業務に適した状態へ整えるために行う初期設定や環境構築のことを指します。ソフトや設定を整える一連の作業をまとめたもので、導入規模や体制によって方法も異なります。ここでは、キッティングの必要性や進め方の種類を解説します。

キッティングの必要性

企業においてパソコンやスマートフォンは欠かせない業務基盤です。キッティングを適切に行わなければ業務開始に支障が出たり、生産性が低下したりする恐れがあります。統一化された設定により効率化された利用が可能となり、さらにセキュリティ面でもリスクを抑え、一元管理や迅速な対応を実現できます。

キッティングの進め方の種類

キッティングは「手作業」と「クローニング」という2種類の進め方があります。手作業ならすぐに始められますが、台数が多いと人件費やミスの増加が課題になりがちです。

一方のクローニングは、1台のパソコンに作成したマスター環境を複数台にコピーする方法です。品質を均一化できることが強みですが、準備には専門知識と一定の時間が必要になります。

手作業によるキッティングの進め方

手作業によるキッティングは、1台ずつ人の手で設定を進める最も基本的な方法です。ここでは、実際の作業手順について解説します。

機器の開梱・周辺機器の接続準備

まずはパソコンの電源ケーブルを接続して通電チェックを行います。問題がなければキーボードやマウス、モニター、プリンターなどの周辺機器を接続します。正しく認識されるかを確認した上で、シリアル番号や付属品の有無を台帳に記録しておきましょう。

BIOS設定やOSインストールのセットアップ

次に、BIOSのセットアップを行います。BIOSとはパソコンの起動順序やハードウェアの動作を制御する基本プログラムです。

ここでOSを導入する際に使用するUSBメモリやDVDなどを起動先として指定します。設定を終えたらOSをインストールし、言語や時刻、キーボード配列などの初期設定を進めていきます。

ユーザーアカウント作成やネットワーク設定

OSの導入後、利用者のログイン用アカウントを作成します。ユーザー名やパスワードの設定は企業ポリシーに沿うことが重要です。

次に、ネットワークの接続設定を行い、LANやWi-Fi、VPNなど必要な通信環境を整えます。IPアドレスやホスト名を統一しておくと、後の管理やトラブル対応が容易になるでしょう。

業務ソフト導入とセキュリティ環境構築

業務に必要なアプリケーションをインストールし、利用環境を整えます。オフィスソフトや業務特化システムのほか、ドライバーやユーティリティも含めて最新版を導入します。

セキュリティソフトを導入し、ファイアウォールやパスワードポリシーを適用することで、不正アクセスや情報漏えいを防げます。

ライセンス認証後の最終動作確認

全てのソフトやOSのライセンス認証を済ませたら、パソコンが問題なく動作するかを細かくチェックします。アプリの起動やネットワーク接続、セキュリティ機能の有効化を確認しましょう。

同時に管理番号ラベルを貼り付け、台帳に記録しておくことで、運用時の所在管理やトラブル発生時の追跡がスムーズになります。

クローニング方式による効率的なキッティング手順

クローニング方式は、あらかじめ作成したマスター環境を複製して複数のパソコンに展開する方法です。ここでは、マスターの準備から展開、最終調整までの流れについて解説します。

マスターパソコンの作成と一般化

クローニングを始めるには、まず基準となるマスターパソコンを用意します。OSやドライバー、必要な業務ソフトをインストールし、一通りの設定を整えたら、Sysprepコマンドを使って固有情報を削除し一般化を行いましょう。

これにより、同じ環境をほかのパソコンへ安全に複製できる状態になります。Sysprepには実行回数の制限があるため、無駄な再実行を避けるようにしましょう。

マスターイメージの抽出と展開準備

一般化が終わったマスターパソコンはシャットダウンし、DISMやWDSなどのツールでイメージを抽出します。作成したイメージはWIM形式などで保存し、USBメモリやネットワーク経由で展開できるように準備しましょう。

この際、不要なユーザーデータや一時ファイルを残さないように整理しておくと、展開後のトラブルを減らせます。必要に応じて回答ファイルを用意すれば自動化も可能です。

複数パソコンへのクローニング実施と初期設定

展開先のパソコンでは、起動方法をUSBやネットワークからの起動に切り替え、マスターイメージをコピーします。同じ環境を複数台へ同時に展開できるため、大規模導入時に大幅な効率化が期待できます。

展開後はホスト名やドメイン参加などの初期設定を適用しますが、ハードウェア構成が異なる場合はドライバの適合性に注意が必要です。

最終的な個別調整と動作確認

全てのパソコンにイメージを展開した後は、個別の設定作業に進みます。IPアドレスやホスト名の割り当て、ユーザーごとのログイン設定、ソフトウェアの認証作業などを行い、セキュリティポリシーの適用も確認します。

最後にネットワーク接続やアプリの動作、セキュリティ機能が正常に働いているかを1台ずつ検証し、問題がなければクローニングによるキッティングは完了です。

キッティング作業の注意点

キッティングは新しいパソコンで業務を開始する上で不可欠な作業ですが、進め方によっては時間や人員の負担が大きく、トラブルの要因となることがあります。ここでは、キッティング作業のおもな注意点について解説します。

1台あたりの作業時間が長く工数がかさむ

手作業のキッティングは、1台につき数時間を要するケースが多く、大量導入時には膨大な時間が必要となります。たとえば10台でも数日かかることがあり、他の業務と並行するのは現実的に難しく、担当者の稼働を長期間圧迫する可能性があります。

担当者の負担が大きく本来業務を圧迫する

キッティングは細かな設定を繰り返す作業が中心で、長時間続けると精神的・肉体的な負担が大きくなります。その結果、情報システム担当者が本来取り組むべき改善業務やセキュリティ対策に割ける時間が減り、全体のIT運用に悪影響を及ぼすリスクがあります。

手作業による設定ミスや品質差が生じやすい

人の手で行うキッティングは、作業者のスキルや集中力によって設定の抜け漏れや誤りが発生しやすいといえます。台数が増えるほど品質のばらつきが大きくなり、業務で予期せぬトラブルを招くこともあります。作業手順を標準化しても限界があるのが実情です。

効率化を図るならMDMの導入がおすすめ

MDM(モバイルデバイス管理)とは、スマートフォンやパソコンを遠隔で一括管理できる仕組みです。導入することで、設定やセキュリティ対応を効率化できます。ここでは、MDMを活用することで得られるメリットについて解説します。

設定やアプリ配布をリモートで一括管理できる

MDMを導入すれば、必要なアプリや各種設定を管理者が遠隔で一斉に配布できます。キッティング時にまとめて環境を整えられるだけでなく、導入後にアプリ追加や設定変更があった場合も即座に反映でき、現場の負担を大幅に減らせます。さらに、更新履歴も残せるため、監査対応にも役立ちます。

運用ルール変更やセキュリティ対策にも対応できる

運用中にセキュリティポリシーを見直す場面でも、MDMなら一括で変更を適用できます。利用可能なアプリの制限やWebアクセス制御、紛失時のリモートロックなども遠隔で実行可能です。設定の更新を都度手作業で行う必要がなく、常に最新のルールを維持できます。

多拠点やモバイルデバイスを含めた一元管理が実現できる

オフィスに限らずテレワークや出張で使うノートパソコンやスマートフォンも、MDMなら1つの管理画面で統合できます。拠点ごとに異なる運用を個別管理する必要がなくなり、端末状況を可視化しながら統一ルールを適用できます。分散環境でも安定した管理ができるため、管理者の工数削減にも効果的です。

短納期や大量導入のときはキッティングサービスが有効

自社で大量の端末を短期間に入れ替える場合、膨大な作業時間と担当者の負担が避けられません。そこでおすすめするのが、専門業者によるキッティングサービスです。初期設定からアプリ導入、動作確認までを一括で任せられるため、社内リソースを圧迫せず品質も均一に保てます。

数百台の導入や急な納期にも柔軟に対応できることは大きな魅力であり、業務の早期立ち上げや担当者の負担軽減につながります。さらに、セキュリティ面でも専門ノウハウを生かした安心の体制を構築可能です。

まとめ

キッティングは業務用パソコンを導入する上で欠かせない作業であり、手作業・クローニング・MDMそれぞれに特徴と注意点があります。効率化を考えるならMDMの活用が有効ですが、短納期や大量導入では社内対応だけでは限界があるのも事実です。そうした課題を解決する方法の1つが外部サービスの利用です。

日立ケーイーシステムズが提供する「BPOサービス(PC・IT機器のフルライフサポートサービス)」は、調達からキッティング、現地設置、導入後のアフターサポートまでワンストップで対応可能な点が強みです。管理業務の軽減、人手不足の解消、コスト削減に直結する体制が整っており、専門知識と豊富な実績で安心して任せられるサービスです。

自社リソースに負担をかけず、IT機器導入をスムーズに進めたい場合は、ぜひBPOサービスを活用してみてください。

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