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情シス業務をアウトソーシングするメリット|導入前に知っておきたいポイントを解説
この記事がオススメな方
主な対象:ファブレス企業、製品メーカ、セットメーカ
- 社内の情シス業務を外部委託したいが、アウトソーシングのメリットと注意点を知りたい。
- 情シスアウトソーシングの料金体系(月額固定型・従量課金型)の違いを比較して検討したい。
- 自社に合った情シスアウトソーシングサービスのタイプや依頼範囲を理解して導入判断をしたい。
こんにちは。「フルライフサポートサービス」、「BPOサービス」でPC・IT機器の様々なお困りごとをワンストップで解決する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
企業の情シス業務は、日常的なパソコンやシステムの管理からセキュリティ対策まで幅広く対応が必要で、人材不足や属人化のリスクを抱えやすい分野です。そのため、安定した体制を維持するには相応のリソースや専門知識が欠かせません。
しかし、全てを自社で賄うのは難しく、アウトソーシングを活用する企業が増えています。ただし、外部サービスを利用する際には注意すべき点もあります。この記事では、アウトソーシングを検討する際に知っておきたい基本的な考え方や判断のポイントについて解説します。
PC・IT機器のフルライフサポートサービス BPOサービスの詳細目次
情シスのアウトソーシングとは
情シスのアウトソーシングとは、企業の情報システム部門で担う業務の一部または全体を外部の専門事業者に委託する仕組みを指します。社内のパソコンやネットワーク管理、システム運用、セキュリティ対応など幅広い領域をカバーできるのが特徴です。
デジタル化が進む一方で、IT人材不足や担当者の負担増加が課題となる中、アウトソーシングは人材確保の選択肢として注目されています。導入することで運用の安定性や効率化を期待できますが、自社に合った依頼範囲やサービスレベルを見極めることが重要です。
情シスをアウトソーシングするメリット
情シス業務を外部に委託することで、人材や体制面の課題を補えるだけでなく、運用の効率化やコスト面でも効果が期待できます。ここではアウトソーシングを活用するおもなメリットを解説します。
専門知識を持つ人材を安定的に確保できる
情シス業務はシステム運用からセキュリティ対策まで幅広く、高度な専門知識が求められます。しかしIT人材の確保は難しく、社内だけで対応するには限界があります。アウトソーシングを利用すれば、最新の知識や技術を持つ専門人材を安定的に活用できるため、自社の体制を強化しつつ運用の質を維持できます。
情シス担当者の負担を軽減し業務を効率化できる
社内の情シス担当者は幅広い業務を一手に担い、負担が大きくなりやすいのが現状です。業務が滞れば従業員全体の作業効率にも影響し、属人化によるリスクも高まります。
アウトソーシングを導入すれば、定常業務や問い合わせ対応を外部に任せられ、担当者は重要な企画や改善業務に注力できます。
採用や教育にかかるコストを削減できる
IT人材の採用には高額なコストがかかり、入社後も教育やスキル定着に時間が必要です。さらに人材不足の状況では給与水準も高騰しがちで、企業にとって大きな負担になります。せっかく人材が育ったとしても、離職してしまうケースは少なくありません。
アウトソーシングを活用すれば、自社での採用や教育を行わずとも専門人材を確保できるため、採用コストや人件費を抑えつつ安定した運用体制を築けます。
情シスをアウトソーシングする際の注意点
情シス業務のアウトソーシングは有効な手段ですが、導入にあたって注意すべき点もあります。ここでは、特に見落とされやすい注意点について解説します。
社内にノウハウを蓄積しにくい
アウトソーシングでは外部の専門業者が業務を代行するため、社内の担当者が実務を経験する機会が減り、ノウハウが蓄積されにくくなります。将来的に自社で情報システム部門を強化したいと考えている場合、この点は大きな課題になり得ます。そのため、委託範囲や共有方法を事前に合意し、知見を残す体制を整えることが重要です。
サービス内容と費用の妥当性を判断しにくい
情シスのアウトソーシングは委託先ごとに提供範囲や料金体系が異なり、費用とサービスのバランスを判断しにくいという課題があります。特に専門知識を持つ従業員が少ない企業では、契約内容が自社に本当に適しているのか見極めるのが難しくなりがちです。
導入前には、対応範囲や料金モデルを比較し、第三者の意見や相見積もりを活用して判断する必要があります。
情シスのアウトソーシングで依頼できるおもな業務
情シスのアウトソーシングでは、システム運用から導入支援、セキュリティ対策まで幅広い業務を委託できます。ここでは代表的な依頼内容について解説します。
システムの構築から保守・運用
アウトソーシングを活用すれば、サーバーやネットワークなどのシステム構築から、日常的な保守・運用まで一括して委託できます。新規導入時の環境設計や移行支援はもちろん、アップデートや障害対応まで依頼可能です。
フルアウトソーシングや部分委託、常駐型など形態も柔軟で、自社の規模や課題に合わせた支援を受けられます。
セキュリティ対策や脆弱性チェックへの対応
社内システムを安全に保つためのセキュリティ対策や脆弱性診断も委託可能です。ファイアウォールやウイルス対策の導入だけでなく、不正アクセス検知やログ監視、パッチ適用管理など高度な業務も任せられます。
自社では把握しにくい最新の脅威情報やセキュリティ基準に基づいた対応を受けられるため、リスクを押さえられる点が特徴です。
パソコンのキッティングやデバイス設定などの導入支援
パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイス初期設定、アプリやソフトのインストール、セキュリティポリシー適用といった「キッティング」作業も外部委託できます。特に入社や異動が集中する時期には業務が膨大になりやすく、短期間での大量対応が求められます。
アウトソーシングを活用すれば、専門スタッフが正確かつ迅速に導入支援を行い、社内の負担を大幅に軽減できます。
ヘルプデスク・問い合わせ対応の代行
社内ユーザーや、従業員からのIT関連の問い合わせやトラブル対応を代行してもらうことも可能です。パソコンやソフトの操作方法、ネットワーク障害、アカウント管理など、日常的に発生する幅広い相談に対応できます。
一次受付から切り分け、必要に応じたエスカレーションまで任せられるため、情シス担当者の負担が軽減され、従業員も安心して業務に取り組めます。
情シスアウトソーシングの選び方
情シスのアウトソーシングは、企業の状況に応じてさまざまな形で活用できます。ここでは、中小企業や大手企業で利用されることが多い代表的なサービスのタイプを紹介し、選び方の参考になるポイントを解説します。
中小企業向け|問い合わせ対応中心のサービス
比較的規模の小さい企業では、まずは社内のIT問い合わせに対応するヘルプデスク代行から始めるケースが多い傾向です。パソコン操作やソフトの不具合対応、ベンダーへの問い合わせ代行などを任せられるため、社内担当者の負担を大幅に軽減できます。
月額固定型の低コストプランもあり、必要最低限の支援を受けながらアウトソーシングを導入したい企業に適しています。
中小企業向け|システム運用管理まで対応するサービス
問い合わせ対応に加え、サーバーやクラウド環境の運用管理、アカウント管理といった領域も委託するのもおすすめです。中小企業では専任のシステム担当者を配置するのが難しい場合も多く、こうしたサービスを利用することで効率的な運用が可能となります。
IT資産管理やセキュリティチェックなども含め、幅広い実務を一括でサポートしてくれるのが特徴です。
中堅・大手企業向け|ヘルプデスクを中心とした支援
従業員数が多い中堅企業や大手では、ヘルプデスク業務だけでも社内リソースを圧迫しやすいため、アウトソーシングで効率化を図るケースが一般的です。単なる問い合わせ対応にとどまらず、FAQ化や自動化など、ノウハウを生かした仕組みづくりを委託できるのも大きなメリットです。大量の問い合わせを効率的に処理しつつ、社内の運用改善につなげたい企業に最適です。
中堅・大手企業向け|システム運用・保守を含むトータル支援
大規模な企業では、情シス業務をほぼ丸ごと外部委託し、戦略的なIT活用にリソースを振り分ける選択肢もあります。システム構築や運用保守に加え、セキュリティ監視やIT戦略立案、従業員向け教育まで包括的にサポートを受けられるのが特徴です。
24時間365日の監視体制を提供するサービスも多く、障害発生時の迅速な対応や予防策まで担ってくれるため、安心して業務を任せられます。
情シスのアウトソーシングサービスを比較する際のポイント
情シスのアウトソーシングはサービス範囲や対応内容が業者ごとに異なります。導入前に比較検討する際のおもなチェックポイントを解説します。
対応できる機器・ソフトの範囲を確認する
アウトソーシング先によって、サポートできる機器やソフトは異なります。Windowsは対応していてもMacは対象外という場合もあります。クラウドサービスも要確認です。自社で使う環境に合っているか必ず事前に確認しましょう。
パソコン導入や運用管理まで任せられるかを見極める
ヘルプデスク対応だけでなく、パソコンのキッティングやアカウント管理、運用まで委託できるサービスもあります。導入から保守まで一括で任せられれば、社内の作業負担を大幅に減らせます。
IT資産管理業務への対応有無をチェックする
IT資産管理は端末やソフトの台数が増えるほど工数が膨大になります。ライセンスやバージョン管理を代行してくれるサービスなら、担当者の負担を減らし、セキュリティリスクの低減にもつながるため、対応可能であるか確認してみましょう。
情シスのアウトソーシングにおける料金体系
情シスのアウトソーシングの料金体系は、大きく「月額固定型」と「従量課金型」に分けられます。ここではそれぞれの特徴について解説します。
月額固定型
月額固定型は、毎月一定額を支払う方式です。業務量にかかわらず同額であるため、予算を立てやすいのがメリットです。ただし、依頼量が少ない月も固定費がかかる点や、契約範囲を超えると追加料金が発生するため注意が必要です。
従量課金型
従量課金型は、実際の利用時間や業務量に応じて費用が発生する方式です。必要な分だけ支払えるため無駄がなく、繁忙期の増加分にも柔軟に対応できます。一方で業務が急増すると費用が膨らみやすく、予算計画を立てにくい点に注意が必要です。
まとめ
情シス業務をアウトソーシングすることで、人材不足の解消や業務効率化、コスト削減などの効果が期待できます。ただし、ノウハウが社内に残りにくい点や費用の判断が難しい点には注意が必要です。導入目的に合ったサービスを選ぶことが重要になります。
当社では、パソコン・IT機器の導入からキッティング、現地設置、導入後のアフターサポートまでをワンストップで支援する「BPOサービス(フルライフサポートサービス)」を提供しています。調達から運用・保守、資産管理、データ消去まで幅広く対応し、お客さまの負担を軽減しながら最適な環境づくりをお手伝いします。ぜひお気軽にご相談ください。
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