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kintoneで年齢計算はできる?基本機能とカスタマイズ方法を徹底解説
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主な対象:小売業、医療関係、物流業、製造業、教育関係
- kintone上で年齢計算をしたい、うまくできなかった
- kintoneでうるう年を反映した年齢計算を行う方法を知りたい
- kintoneの計算機能について知りたい
こんにちは。サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」の導入・開発を支援する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
kintoneは業務データの一元管理や作業の自動化ができるクラウド型ツールとして、多くの企業で利用されています。Excelと同様に計算機能も備わっていますが、年齢計算をする際にはちょっとしたテクニックが必要です。
今回は、Excelのようにkintoneで年齢計算を行いたい人向けに、kintoneの計算機能を活用した年齢計算の方法を紹介します。うるう年を考慮して計算を行うためのカスタマイズ方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
kintoneのサービス詳細目次
kintoneに計算機能はある?
kintoneには、数値や日付の自動計算ができる「計算機能」が備わっています。四則演算や関数などの計算式を設定し、値を入力すれば、Excelと同じように自動で計算結果を算出可能です。
また、kintoneの計算機能は、日付や年齢などの複雑な計算にも対応しています。社内の従業員データや顧客管理など、さまざまなシーンで活用できるでしょう。
kintoneで計算式を設定する方法
kintoneの計算機能で計算式を設定する際は、アプリのフォーム設定画面で計算フィールドを追加する必要があります。計算に必要な項目を追加し、計算式を設定しましょう。設定後にアプリを保存し、実際にレコードを登録すれば、自動で計算結果が反映される仕組みです。
たとえば、「単価」・「人数」・「合計金額」のフィールド(情報を入力するための個別の入力枠、以下同じ)を追加し、「単価×人数」の計算式を設定すれば、受注金額を簡単に算出できます。
kintoneの計算機能で使用できる関数・演算子
kintoneでは、四則演算(+・-・×・÷)のほか、SUM・IF・AND・OR・NOT・ROUNDなどの関数を利用できます。たとえば、金額の四捨五入の計算や、IF関数を使用して「生年月日が空欄なら空欄を返す」といった条件付きの計算も可能です。
ただし、Excel上で日付を計算する際に使う「TODAY関数」はkintoneに搭載されていないため、kintone上で日付から年齢を計算する際には一定の制限があることをあらかじめ理解しておきましょう。
kintoneではExcelの自動計算関数は使用できない
kintoneの計算フィールドはExcelとは異なり、TODAY関数やNOW関数といった月日の経過による自動更新関数に対応していません。kintone上に日付を登録した後に日付が変わっても、自動的に年齢が更新されることはないので注意してください。
このように、kintone上で年齢計算をする際は日付を固定して登録する形式となるため、日付の変化に合わせた計算を設定したい場合は、拡張やカスタマイズを行う必要があります。あらかじめ年齢の自動更新が必要かどうかを判断し、適切な方法で年齢計算を行いましょう。
kintoneの基本機能で年齢計算を行う方法
kintoneの基本機能で日付の差分を計算する際は、「86400秒」を「1日」に変換する手法を用います。ここからは、kintoneの標準機能だけで年齢を算出する方法を紹介します。
本日の日付・生年月日・年齢のフィールドを設定する
初めに、アプリのフォーム設定画面に「生年月日」・「本日の日付」・「年齢」の3つのフィールドを追加します。それぞれのフィールドコードも設定しておくと、後で計算式を入力する際にスムーズです。
計算式を入力する
続いて、「年齢」フィールドの設定画面で年齢計算の計算式を入力します。基本的には「(本日の日付-生年月日)÷86400÷365」で計算できます。ここで登場する「86400」は1日の秒数を意味しており、結果を年単位に変換するために使用します。
表示桁数を設定する
年齢計算では小数点以下の数値が不要なため、計算結果を年齢として見やすくするために、小数点以下桁数を「0」に設定する必要があります。小数点以下の切り捨てには、ROUNDDOWN関数の使用が便利です。表示桁数を設定すれば、「30.8歳」のような小数点表記は発生せず「30歳」と表示できます。
本日の日付・生年月日を入力する
最後にレコードの登録画面に移動し、「生年月日」と「本日の日付」を入力すれば、設定した計算式によって年齢が自動的に表示されます。
基本機能で年齢を計算する際は、必ず「本日の日付」を手動で入力する必要があります。
kintoneの基本機能で年齢計算を行う際の注意点
kintoneの標準機能で年齢を算出する場合、一部の機能に制限があることに注意が必要です。
うるう年が計算されない
kintoneの標準計算は、「1年=365日」として内部処理されるため、うるう年を考慮できません。そのため、生年月日や計算期間によっては実際の年齢と表示結果に誤差が生じることがあります。特に、誕生日が2月29日の場合、正しく年齢が計算されないケースが考えられます。
うるう年を考慮した正確な年齢を表示したい場合は、プラグインやスクリプトのカスタマイズを行う必要があります。
年齢が自動で更新されない
kintoneの標準機能では、本日の日付を手動で入力する必要があるため、登録後に日付が変わっても年齢は自動で更新されません。つまり、日付を入力し直さない限り、何度アプリを開いても前回登録時点の年齢が表示され続けます。
年齢を自動で更新したい場合は、プラグインやスクリプトを設定し、自動的に本日の日付を取得させる必要があります。
kintoneでうるう年を含めた年齢計算を行う方法
kintone上でうるう年を考慮した年齢計算を行いたい場合は、フィールドを追加で設定したりスクリプトをカスタマイズしたりする方法を試してみてください。
フィールドを追加で設定する
うるう年を考慮するためには、レコードの更新日からうるう年を計算させる計算式を設定する方法が有効です。初めに「生年月日」「年齢」のフィールドに加え、「更新日時」・「更新日時_01」・「生年月日_01」のフィールドを追加しましょう。フィールドを追加したら、各計算フィールドに以下の計算式を入力してください。
- ・更新日時_01:DATE_FORMAT(更新日時,"YYYYMMdd","system")
- ・生年月日_01:DATE_FORMAT(生年月日,"YYYYMMdd","system")
- ・年齢:ROUNDDOWN((更新日時_01-生年月日_01)/10000,0)
以上のフィールドと計算式を設定すれば、うるう年による計算の誤差を防止できます。
JavaScriptでカスタマイズする
JavaScriptのカスタマイズを利用すれば、うるう年を含めた正確な年齢計算が可能です。たとえば、現在日時を自動取得して生年月日との差分を算出し、うるう年や誕生日の前後を考慮した処理を行うことができます。
JavaScriptのカスタマイズを行う際は、エディターを用意した上でアプリの設定画面からJavaScriptファイルを追加してください。専門知識や詳細設定が必要なため、社内の技術者に作業を依頼するとよいでしょう。
kintoneの年齢計算向けプラグインを活用する方法もある
kintoneで年齢を正確に計算したい場合は、kintone用の年齢計算向けプラグインを活用するのが最も手軽な方法といえます。標準機能ではうるう年や日付の自動更新に対応していませんが、プラグインを導入することでこのような課題を解決できます。
たとえば、プラグインを使用すれば、生年月日フィールドを設定するだけで自動的に年齢を計算でき、誕生日を迎えた際には自動で年齢が更新されます。また、うるう年を考慮した計算を内部で処理しているため、標準計算で生じる誤差も防止できます。
kintoneのプラグインは、コーディングやスクリプトの知識が不要で、簡単に拡張設定ができるのもメリットの1つです。従業員情報や顧客データの管理を効率化したい場合は、プラグインの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
kintoneの計算フィールドを使えば、生年月日から年齢を自動で算出できます。ただし、標準機能ではうるう年の考慮や自動更新に制限があるため、正確な計算を行うにはJavaScriptカスタマイズや専用プラグインなどの導入が効果的です。
日立ケーイーシステムズは、サイボウズオフィシャルパートナーとして、kintoneの導入・構築やアプリ・プラグインの開発サービスを提供しています。kintoneの導入・運用や既存システムとの連携に課題を感じている企業担当者は、ぜひ以下からお問い合わせください。
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