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ノーコードツール ローコードツール 違い

ノーコードツールとローコードツールの違いとは|導入メリットと使い分け方を解説

この記事がオススメな方

主な対象:小売業、医療関係、物流業、製造業、教育関係

  1. 非エンジニアだけで業務アプリを作りたいが、ノーコードとローコードのどちらが現実的か知りたい
  2. 現場が主導して業務システムを整えたいが、ツール選びの基準を知りたい
  3. 自社の業務フローに合わせて改善したいが、ノーコードでどこまで対応できるのか判断したい

こんにちは。サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」の導入・開発を支援する日立ケーイーシステムズのライターチームです。

システム開発といえば専門的な知識や豊富な開発経験が欠かせませんでしたが、近年はノーコードやローコードツールの登場により、社内で手軽に業務アプリを作れる環境が整いつつあります。とはいえ、両者には対応できる範囲や得意分野に違いがあり、選び方を間違えると期待した成果につながらない可能性もあります。

この記事では、ノーコードツールとローコードツールの仕組みやメリット、注意点を整理し、自社の業務改善に最適な選び方を解説します。

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ノーコードとはプログラミング不要で作れる仕組みのこと

ノーコードとは、システム開発に欠かせないプログラミング作業を一切行わずにアプリケーションやシステムを構築できる開発手法のことです。ツール画面上でボタン操作やドラッグ&ドロップを行うことで、業務アプリやWebサービスを直感的に作成できます。

専門的な言語知識を必要とせず、非エンジニアでも業務に合わせた仕組みを構築できることが最大の特徴です。開発環境と実行環境がセットで提供されるツールも多く、テンプレートを活用することで短期間で導入できます。

一方で、自由度はローコードやスクラッチ開発に比べて低く、ツールの機能範囲に合わせた設計が求められます。

ノーコードツールを活用するメリット

ノーコードツールを活用すると、開発のハードルを下げながら業務改善をスピーディに進められます。ここでは、企業が導入するおもなメリットを解説します。

専門知識がなくても開発できる

ノーコードツールは、専門的なプログラミング知識がなくてもアプリやシステムを作れるのが特徴です。マウス操作や部品の選択だけで仕組みを構築できるため、IT(インフォメーションテクノロジー、以下同じ)人材が少ない企業でも自分たちで開発を進められます。現場の担当者が必要な機能をその場で形にできることも魅力といえるでしょう。

外部委託費を抑えて社内で運用できる

ノーコードツールを使えば、外部のシステム会社に依頼しなくても自社で開発から運用まで行えます。軽微な修正や機能追加も社内で完結するため、外注コストだけでなく改修にかかる時間の削減も可能です。結果として、費用対効果の高い業務改善が実現しやすくなります。

スモールスタートで素早く改善を進められる

ノーコードツールは、短期間で試作や改修を繰り返せるのが強みです。小規模なアプリから導入して効果を確認しながら、段階的に範囲を広げられます。現場での課題にすぐ対応できるため、スピード感のある業務改善を進めたい企業に最適です。

ノーコードツールを活用する際の注意点

ノーコードツールは手軽に始められる反面、仕組み上の制約も存在します。特に大規模運用や細かい機能設計を行いたい場合は注意が必要です。ここでは、導入前に知っておくべきおもなリスクについて解説します。

複雑な業務や高度な機能には対応しにくい

ノーコードツールはあらかじめ用意された機能を組み合わせて使う仕組みのため、複雑な業務ロジックや独自仕様を再現するのは難しいといえます。たとえば、複数の条件を組み合わせた自動処理や他システムとの連携などは対応が限られます。ただし、細かい調整が必要な業務では、かえって運用負担が増えることもあるため注意が必要です。

プラットフォームの仕様に強く依存する

ノーコードツールは、提供元が定めた仕様や機能に合わせて動作するため、サービス側の変更や終了に影響を受けやすい特徴があります。データ構造が独自仕様のことも多く、他ツールへの移行や拡張が難しくなる傾向です。導入時には提供元の信頼性やサポート体制を確認しておくことが重要です。

大規模運用では制約が出やすい

ユーザー数が増えたり、アプリの処理量が多くなったりすると、動作速度や安定性が低下する可能性があります。さらに部門をまたいで運用する際は、アクセス権やデータ連携の管理が複雑化しやすく、エラー対応にも時間がかかります。全社規模で活用する場合は、運用設計を慎重に行う必要があります。

ローコードとは少ないコードで柔軟に開発できる仕組みのこと

ローコードは必要最小限のコード記述でアプリやシステムを構築できる開発手法のことです。ツールの画面上で部品を選んで組み合わせるだけで基本構成を作れて、必要に応じて少しだけコードを追加すると、細かい調整もできます。

ノーコードよりも自由度が高く、複雑な業務や既存システムとの連携にも対応しやすいのが特徴です。最低限の知識とスキルを身につければ扱えるため、本格的な開発スピードと柔軟さを両立できる方法として、多くの企業で活用が進んでいます。

ローコードツールを活用するメリット

ローコードは、ノーコードよりも柔軟性や拡張性が高く、本格的なシステム開発に向いています。ここでは、ローコードツールを活用するメリットについて解説します。

高度な要件も実現できる柔軟性がある

ローコードツールは、ノーコードでは対応しづらい複雑な処理や独自機能にも対応できます。用意された部品を使いつつ、必要な部分のみにコードを加えることで、細かな業務要件にも柔軟に対応可能です。開発スピードと自由度の両立がしやすく、企業ごとの業務改善に役立ちます。

品質を担保しつつ開発コストを抑えられる

ノーコードよりも自由度が高い一方、ローコードはツール内のテンプレートや設計基盤を活用できるため、品質を安定させながら開発を効率化できます。完全スクラッチより工数を削減でき、ノーコードよりも再現性と保守性に優れています。スピードと精度を両立できる点が大きな魅力です。

既存システムと連携しやすく拡張性が高い

ノーコードでは難しい外部システムとの連携も、ローコードなら柔軟に対応できます。APIやデータベース接続を設定し、自社の基幹システム(販売・会計・生産・在庫管理などの基幹業務を効率化するためのシステム、以下同じ)やクラウドサービスとの統合が可能です。導入後の拡張もしやすく、長期的なシステム成長を見据えた運用に適しています。

ローコードツールを活用する際の注意点

ローコードはノーコードと比べて高機能ですが、扱い方や導入規模によっては注意が必要です。ここでは、ローコードツールを活用する際の注意点について解説します。

本格的な活用には一定の学習が必要になる

ノーコードは直感的に操作できるのに対し、ローコードは部分的にプログラムを記述する必要があります。そのため、最低限のIT知識やツールの習熟が欠かせません。機能を最大限に生かすには操作方法や構造を理解する時間が必要で、慣れるまでは負担を感じることもあるでしょう。

ユーザー数や機能拡張に応じてコストが増えやすい

ローコードツールは、ノーコードよりも高機能な分、料金が高くなる傾向です。利用人数の増加やシステム拡張に応じて課金が発生し、運用コストが想定より膨らむこともあります。どのような機能を作りたいのか、どこまでの範囲で活用するのか決めた上で料金を調べてみましょう。

独自の業務要件を満たせない場合がある

ローコードはノーコードより自由度が高いとはいえ、完全なスクラッチ開発には及びません。ツールの設計思想や提供範囲に制約があるため、特殊な業務フローや細かなUI調整が求められる場合は限界があります。導入前に要件を洗い出し、どこまで実現できるかを慎重に確認することが大切です。

ノーコードツールの導入が最適な企業

ノーコードツールは専門知識が不要な一方、複雑な業務には適応できない可能性があります。ここでは導入をおすすめする企業について解説します。

現場主導で業務改善を進めたい企業

ノーコードツールは、IT部門に依存せず現場の担当者が自らアプリを作成できる点が魅力です。ローコードのように学習や調整が必要ないため、実際に業務を行う人が課題をもとに開発を進められます。日報管理や申請フローなど、小規模な改善を迅速に実現したい企業に最適です。

非エンジニアでも開発できる環境を作りたい企業

社内IT人材が少ない企業や、エンジニアを採用しづらい環境では、ノーコードツールが特に有効です。プログラミング知識を必要とせず、マウス操作だけでアプリを構築できるため、現場スタッフや総務部門でも業務ツールを作成できます。

段階的に小さく導入して成果を積み上げたい企業

ノーコードツールは、初期投資を抑えながら試験的に導入しやすく、成功事例をもとに全社展開へ広げていけます。ローコードのような設計準備や複雑な設定が不要なため、スモールスタートで効果検証を行いながら改善を重ねていきたいようなケースに最適です。

ローコードツールの導入が最適な企業

ローコードツールは、ある程度の技術理解を前提に、より柔軟で拡張性のある開発を行えます。ここでは、具体的にどのような企業に最適なのか解説します。

複数業務を統合し全体最適を進めたい企業

ローコードツールは、複数の部門やシステムを横断してデータを連携できるため、業務全体をつなぐ仕組みづくりに適しています。ノーコードでは個別最適にとどまりがちな部分も、ローコードであれば共通データベースやAPIを活用し、部署間の情報を一元化できます。業務の全体最適化を目指す企業に最適です。

IT部門と現場が連携して開発を進めたい企業

ローコードツールは、IT部門と現場担当者が協力して開発を進められることが強みです。基本構成は現場が作り、技術的な要件はIT部門が補完することで、スピードと品質を両立できます。ノーコードよりも高度な要件を実現できるため、共同開発体制を整えられる企業に最適です。

中規模以上の業務や複雑な要件に対応したい企業

ローコードツールは、ノーコードでは対応しきれない複雑なロジックやデータ処理を組み込めます。たとえば、基幹システムとの連携や社内承認フローの自動化など、中規模以上の業務にも十分対応可能です。スピードと拡張性を両立しながら、安定した運用を目指す企業に適しています。

まとめ

ノーコードとローコードはいずれも、従来の開発より短期間で業務アプリを構築できる有効な手法です。ノーコードは「スピード」と「手軽さ」を重視する現場主導の改善に向いており、ローコードは「柔軟性」と「拡張性」を求める企業に適しています。どちらを選ぶかは、自社の課題と目的を明確にした上で判断することが大切です。

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