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kintoneプロセス管理とは?基本の設定手順からトラブル解決法まで徹底解説
この記事がオススメな方
主な対象:小売業、医療関係、物流業、製造業、教育関係
- 社内の承認業務が紙やExcelで運用されており、処理遅延や進捗不明が常態化している
- 上司から「kintoneで承認フローを電子化できないか」と相談され、具体的な実現方法を調べている
- プロセス管理という機能名は聞いたことがあるが、どんなことができるのか、設定は難しくないか確認したい
こんにちは。サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」の導入・開発を支援する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
紙やExcelで承認業務を運用していると、「まだ承認されていないのか」「どの工程で止まっているのか分からない」といった課題が生じがちです。kintoneのプロセス管理を活用すれば、承認フローを自動化でき、現在どの担当者で処理が滞留しているかを一目で把握できます。
この記事では、プロセス管理の基本構造から設定手順、応用的な機能、運用時に起こりやすいトラブルへの対処法まで、実務を踏まえて分かりやすく解説します。自社の業務に合ったワークフロー(一連の業務手順、以下同じ)を構築するためのポイントを押さえたい方に役立つ内容です。
kintoneのサービス詳細目次
kintoneプロセス管理の基本
ここでは、なぜプロセス管理が必要なのか、どのようなことが実現できるのか、基本の仕組みを順に解説します。
なぜ今kintoneプロセス管理が必要なのか
近年の働き方の多様化や市場環境の変化により、業務フローの透明化と効率化は以前にも増して重要になっています。リモートワークやハイブリッドワークが広がる中で、誰がどの業務をどの段階まで進めているかが見えにくくなり、作業の停滞や連携ミスが起こりやすい状況です。
また、顧客ニーズの多様化や製品ライフサイクルの短縮により、迅速な意思決定と柔軟な業務プロセスが求められています。さらに、日本では少子高齢化による人手不足も進み、限られたリソースでの効率的な業務運営が課題です。kintoneプロセス管理は、こうした課題に対応できるツールとして注目されています。
kintoneプロセス管理で実現できること
kintoneプロセス管理を活用すると、業務フローの標準化や可視化、承認の自動化などを実現できます。具体的には、処理ステータスを設定して進捗状況を一目で確認でき、承認者や作業者も自動で割り当てられます。
条件に応じたフロー分岐や通知の自動送信を設定すれば、手戻りや抜け漏れを抑えながら業務を効率的に進めることも可能です。また、過去のデータや履歴も一元管理できるため、トラブルの早期発見や改善策の検討にも役立ちます。
kintoneプロセス管理の動く仕組み
kintoneのプロセス管理は、業務ごとに設定した「ステータス」をもとに処理の流れを管理します。ユーザーが承認や作業を行うと、次の担当者に自動でタスク(個々の具体的な作業、以下同じ)が回り、進捗状況もリアルタイムで確認できます。
さらに、条件分岐や通知の設定を活用すれば、特定の条件に応じたアクションを自動で実行可能です。この仕組みによって、紙やExcelでの手作業では難しかった業務の一元管理や進捗の可視化が進み、属人化や非効率の軽減にもつながります。
kintoneプロセス管理の設定手順
プロセス管理を活用するには、承認フローやステータス、作業者、アクションを適切に設定する必要があります。ここでは、初心者でも迷わず設定できるよう、手順を順に解説しつつ、注意点も交えて紹介します。
1. 承認フローを設計する
設定を始める前に、まず自社の業務フローを整理します。申請が誰から始まり、誰を経て最終承認に至るのか、段階ごとの承認者を図で書き出すとスムーズです。条件に応じて承認ルートが変わる場合も明示しておくと、後の設定で迷いにくくなります。設計段階で業務を可視化することが、運用の成功につながります。
2. ステータスを登録する
次に、レコード(フォームの複数データを纏めた1つの単位、以下同じ)の進捗を示す「ステータス」を設定します。初期状態では「未処理→処理中→完了」となっていますが、自社の業務フローに合わせて名称を変更したり、新しいステータスを追加したりすると良いでしょう。
3. 作業者を割り当てる
各ステータスに応じて、誰が作業や承認を行うかを割り当てます。そうすることで、申請者や承認者が明確になり、必要なユーザーだけが操作できる状態となります。設定は簡単で、ステータスごとに作業者を選択するだけで完了です。
4. アクションを追加する
プロセスごとにアクションを設定します。アクション名はユーザーが操作するボタンに表示される内容で、たとえば「申請する」「承認する」といった名称です。アクションを実行すると次のステータスに進む仕組みを組み合わせることで、承認フローを自動化できます。条件に応じた通知やフロー分岐も設定でき、柔軟な運用が可能です。
5. 動作をテストする
設定後は必ず動作を確認します。レコードを保存し、申請や承認が意図通りに次の担当者へ回るか、通知が届くかをチェックします。また、保存後には「アプリを更新」を行わないと設定が反映されないため注意が必要です。テストを通してフローの問題点を発見できれば、実運用時のトラブルを防げます。
kintoneプロセス管理の応用設定を使いこなす
実務では、基本設定だけでは対応しきれない業務もあります。ここでは、応用設定の概要を紹介します。
差し戻し機能を実装する
不備があった場合、レコードを前のステータスに戻す「差し戻し」機能を設定できます。該当ステータスに「差し戻し」アクションを追加し、戻るステータスを指定するだけです。承認者はワンクリックで差し戻せるため、再申請がスムーズになり業務ミスの早期修正に役立ちます。
条件分岐を設定する
申請内容に応じて承認ルートを変えたい場合は条件分岐を活用します。金額やカテゴリに応じて承認者を自動で切り替えることが可能で、アクションの「実行条件」に条件式を入力し、条件ごとにアクションとステータスを指定すれば、複雑な業務シナリオにも対応できます。
申請者が承認者を選択できるようにする
承認者が複数名いる場合、申請者が選択できる設定も便利です。作業者欄に複数ユーザーを登録するだけで、申請時に適切な承認者を選べるようになります。
複数人承認を実現する
同一ステータスで複数承認が必要な場合、「全員承認」または「うち1人承認」を設定できます。複数ユーザーやグループを登録するだけで構築可能で、チーム単位や合議制の業務フローにも対応できます。
kintoneプロセス管理の運用でよくある疑問
設定や運用の際に出やすい疑問をまとめ、解決策と注意点を紹介します。
複数レコードのステータスを一括更新できるか
プロセス管理では、標準機能として複数レコードをまとめてステータス変更することはできず、基本的には1件ずつ操作する必要があります。大量のレコードを扱う場合は手間が増えるため、CSV書き出し→編集→再読み込みによる疑似的な一括更新が現実的な方法です。
APIを利用できる環境であれば、ステータス変更を自動化するスクリプトで効率化することも可能です。
承認の証として印影を残せるか
kintoneでは、承認ステップを実行したタイミングで自動的に印影を押す機能は備わっていません。ただし、レコード履歴には「誰が・いつ・どのアクションを行ったか」が残るため、承認証跡としては十分機能します。見た目として印影を残したい場合は、承認者が自身の印影画像を添付したり、印影画像を登録するカスタマイズを加える方法があります。
モバイルアプリから承認できるか
kintoneモバイルアプリでは、PC版と同様にステータスの変更や承認操作が行えます。タスク依頼のプッシュ通知が届くため、外出中やテレワーク時でも即時に対応できます。さらに、メール通知やWebhookと組み合わせてTeamsやSlackへ連携させれば、承認依頼の見落とし防止にも役立ちます。
社外の人も参加させられるか
社外ユーザーを承認フローに参加させることも可能です。ユーザー単位でアクセス権を細かく設定できるため、閲覧・編集・ステータス変更の権限を必要な範囲に限定できます。機密性の高いレコードも、アクセス権を与えていないユーザーには一切見えないため、社外を交えたワークフローでも安全に運用できます。
kintoneプロセス管理でよくあるトラブル
プロセス管理は便利な一方で、設定の見落としや権限の不一致が原因でトラブルが起こりがちです。ここでは、特に発生しやすい問題と、その対処方法をまとめました。
アクションボタンが表示されない
ボタンが見えない原因の多くは、権限不足やアクション条件の設定ミスです。まず作業者がレコードを閲覧できるかを確認し、ステータスごとのアクション内容や条件が適切かを見直します。ボタン名が曖昧な場合も操作を迷わせるため、明確な表現に整えておくとトラブルを防げます。
通知が届かない
通知が届かないときは、対象ユーザーにレコードの閲覧権限があるかが最重要ポイントです。アプリやスペースの権限、グループ設定の除外有無を確認しましょう。メール通知を見落としやすい場合は、Webhookを使ってチャットに直接通知する方法も有効です。
条件分岐が動作しない
条件付きアクションが動かない場合、設定した条件がそもそも成立していないケースが多く見られます。数値やフィールド(情報を入力するための個別の入力枠)タイプが条件指定に対応しているかを確認しましょう。複雑な分岐が必要な場合はJavaScriptで補強できますが、難易度が高いため外部サポートの利用も選択肢になります。
kintoneプロセス管理導入成功の4つのコツ
kintoneを効果的に活用するには、導入前後の進め方が重要です。ここでは、現場で定着させながら業務改善を進めるために押さえておきたい4つのコツをわかりやすく紹介します。
1. 導入目的を明確にして推進体制を作る
まず「何を解決したいのか」を全員で共有し、推進役となる体制を整えます。目的が曖昧だと運用が形骸化しやすいため、課題・ゴール・担当を最初に固めておくことが成功の土台になります。
2. 対象業務を選んで現状を可視化する
全社一斉ではなく、効果が出やすい業務から対象を絞ります。現状の手順を見える化することで、非効率やボトルネック(システムやプロセスにおいて全体の流れを制限・停滞させる部分)が明確になり、kintoneで実現すべき理想のプロセスと必要機能を整理できます。
3. 実際に使って評価する
候補ツールは必ずトライアルで検証します。操作性や現場との相性を確認し、評価項目を基準に客観的に判断することがポイントです。現場の意見を反映することで、導入後に「使われない」状態を防げます。
4. 小規模から始めて段階的に広げる
導入時はスモールスタートが効果的です。小さな単位で運用ルールやノウハウを固め、得られた成功事例をもとに社内へ展開します。フィードバックを重ねることで、無理なく全社導入へ移行できます。
まとめ
kintoneのプロセス管理は、承認フローの自動化や進捗の可視化によって、業務の停滞や手戻りを減らせる便利な仕組みです。基本設定だけでも活用できますが、条件分岐や複数承認を組み合わせれば、より自社に合わせた柔軟な運用が可能になります。さらに、外部サービス連携やJavaScriptカスタマイズを加えることで、より高度なワークフローにも対応できます。
当社では、サイボウズ製品の構築・連携・カスタマイズまで総合的に支援していますので、最適な運用を目指す際はぜひご相談ください。
kintoneのサービス詳細※本記事中の会社名および製品名は各社の商号、商標または登録商標です。
