現場での注目テーマ
この記事では、工事現場での利用に不可欠な堅牢タブレットについて、選定で失敗しないためのチェックポイントを5つのテーマで詳しく解説します。
「普通のタブレットに頑丈なケースをつければ良いのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、業務用に設計された堅牢タブレットと、後付けのケースでは、信頼性に大きな差があります。
堅牢タブレットは、設計段階から衝撃や振動を吸収する筐体構造を持ち、内部の基板や部品も振動に強いものが選定されています。また、コネクタ部分も防水・防塵キャップで保護されるなど、細部にわたって対策が施されています。一方、後付けのケースでは、落下時の衝撃はある程度緩和できても、防水・防塵性能は不十分なことが多く、コネクタ部分からの浸水や粉塵の侵入による故障リスクは残ります。現場で本当に「使える」ツールを求めるなら、設計思想そのものが異なる堅牢タブレットが最適です。
工事現場でタブレットを選ぶ際の、最も重要なチェックポイントが「環境性能」です。具体的には、防塵・防滴性能と耐衝撃性能が挙げられます。
屋外での作業が多い工事現場では、ディスプレイの「視認性」も作業効率を左右する重要な要素です。特に、強い日差しの下では画面が暗くて見えづらくなり、図面の細部や文字が確認できないという問題が発生します。
この課題を解決するのが、屋外での視認性を高めた高輝度液晶です。一般的なタブレットよりも明るい画面で、直射日光下でも図面の細部や文字を確認しやすくなります。
さらに、手袋をしたままや水滴がついたままでもタッチパネルで操作可能な仕様も、現場での使いやすさを大きく向上させる重要なポイントです。
これらに加え、NFCリーダーを内蔵していれば、ICカードをかざすだけで作業員の本人確認や作業開始・終了の記録が可能となり、報告業務の効率化と確実性を高めます。
工事現場は、常に状況が変化します。現場で撮影した写真や確認事項を、すぐに事務所や関係者と共有できるかどうかは、プロジェクトのスムーズな進行に大きく影響します。しかし、現場にはWi-Fi環境が整備されていない場所も少なくありません。
そこで必須となるのが、携帯電話網を利用するLTE通信機能です。LTE対応モデルであれば、Wi-Fi環境がない場所でも、撮影した写真や作成した報告書をリアルタイムでクラウドや社内サーバーにアップロードできます。これにより、情報の伝達ロスや遅延を防ぎ、関係者間での迅速な意思決定や合意形成をサポートします。最新の図面をいつでもダウンロードしたり、遠隔臨場に活用したりと、活用の幅も大きく広がります。
数年にわたる大規模な工事プロジェクトでは、導入したタブレットを長期間にわたって使用することになります。その間に、端末の故障や、人員増に伴う追加導入が必要になるケースも考えられます。しかし、一般的なタブレットはモデルサイクルが短く、同じ製品を再度購入できなくなるリスクがあります。そのため、長期的な製品供給とサポートの体制を整えている製品を選ぶことが重要です。メーカーが「発売後3年以上の供給」などを保証していれば、プロジェクトの途中で「同じ機種が手に入らない」といった事態を防ぎ、システムの互換性を維持したまま、スムーズな交換や追加導入が可能です。
また、現場で利用者自身がバッテリー交換を行える仕様であれば、予備バッテリーと交換するだけで業務を継続でき、プロジェクトの円滑な進行を支えます。
これらの点は、長期にわたるプロジェクトの安定運用と、予期せぬシステム改修コストの発生を防ぐ上で、非常に重要なチェックポイントです。
工事現場でタブレット選定に失敗しないためには、過酷な環境に耐える「堅牢性」を大前提に、現場での「使いやすさ」と「運用の継続性」まで考慮することが重要です。これらのチェックポイントをクリアする堅牢タブレットは、現場の生産性を飛躍的に向上させ、プロジェクトを成功に導くための力強いパートナーとなるでしょう。