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IT機器管理の基本と実践手順|よくある課題と台帳・ツールによる効率化の進め方

この記事がオススメな方

主な対象:ファブレス企業、製品メーカ、セットメーカ

  1. 社内のPCやモバイル端末の管理が属人化しており、台帳やツールを使った効率的な管理方法を探している方
  2. 機器の貸出状況や利用履歴の把握に手間がかかっており、IT機器管理を整備する手順やおすすめのツールを調べている方

社内で使用するパソコンやスマートフォン、周辺機器などのIT機器は、手作業の台帳管理や口頭での貸出確認だけでは、情報の更新漏れや入力ミスが起きやすくなります。その結果、業務効率の低下やセキュリティリスクの増大を招きかねません。

この記事では、IT機器管理の基本や台帳の整備方法、企業で頻発する課題、そして専用ツールを活用した効率化の実践手順までをわかりやすく解説します。

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IT機器管理とは

IT機器管理とは、企業が保有するパソコンやスマートフォン、周辺機器などを適切に把握・運用するための仕組みです。ここでは、IT機器管理の目的や重要性、IT資産管理との違いについて解説します。

IT機器管理の目的と重要性

IT機器管理は、企業が保有するパソコンやスマートフォン、周辺機器などの所在や使用状況を正確に把握し、適切に運用するための仕組みです。紛失や盗難による情報漏えいを防ぎ、セキュリティ体制を強化できたり、機器の余剰在庫や重複購入を抑えてコスト削減にもつながったりします。

また、保管場所や使用者が明確になれば、探す手間が減り、故障や不具合発生時も迅速に対応でき、業務効率化を実現できます。

IT資産管理との違い

IT機器管理は、パソコンやスマートフォン、サーバーなどの有形の機器を対象に物理的な所在や利用状況を管理するものです。一方、IT資産管理はこれらに加え、ソフトウェアのライセンスや保存データといった無形資産まで含めて一元的に管理します。

たとえば、パソコンの管理では、IT機器管理が「誰が、どこまで使っているか」を記録するのに対し、IT資産管理ではそのパソコンに入っているソフトの契約状況やバージョン情報まで把握します。

企業でよく見られるIT機器管理の課題

IT機器管理は、多くの企業で重要視されている一方、運用の過程でさまざまな問題が発生しがちです。ここでは、現場で起こりやすい代表的な課題について解説します。

入力ミスや登録情報の更新漏れが起きやすい

紙やExcelでの台帳管理は手作業が中心のため、入力ミスや情報の更新漏れが発生しやすくなります。特に管理対象の機器が多い場合、担当者の負担も増え、記録精度が低下するリスクがあります。誤った情報は紛失や不正利用の発見遅れにつながり、セキュリティ面にも悪影響を及ぼします。

管理業務に時間や手間がかかる

台帳の作成や更新を紙やExcelで行う場合、全てを手作業で入力・修正する必要があり、管理対象の機器が増えるほど作業時間が増えてしまいがちです。新規購入時の登録、貸出や返却の記録、故障や修理履歴の追記、廃棄処理まで、多岐にわたる業務が日常的に発生します。

担当者はこれらを並行して行うため負担が慢性的に高くなり、結果として他の重要な業務に時間を割けず、管理精度や対応スピードの低下を招くおそれがあります。

リアルタイムで情報を共有・把握しづらい

紙やExcelを用いた台帳管理では、複数人で同時に更新できず、最新情報が即時反映されないという制約があります。たとえば、機器の故障や急な貸出が発生しても、その変更内容が他の担当者に伝わるまでに時間差が生じ、重複予約や誤配布が起きることもあります。

さらに、複数拠点やテレワーク環境では共有の遅れが発生しやすく、迅速に対応できません。この遅延は結果的に業務停滞やセキュリティリスクの増大にもつながります。

IT機器管理によって得られるおもなメリット

IT機器管理を適切に行うことで、企業の運営や日々の業務プロセスに幅広い改善が見込めます。ここでは、おもな導入メリットについて解説します。

情報漏えいやセキュリティリスクの抑制につながる

従来は、端末の使用者や保管場所が不明確なまま貸出や返却が行われ、紛失や盗難が発生しても原因追及に時間がかかっていました。IT機器管理では、機器ごとに利用者・利用時間・保管場所を明確化し、持ち出し履歴も記録します。

これにより不正使用の早期発見や回収が可能になり、回収後は初期化やデータ消去まで確実に実施できます。重要情報の流出リスクを抑え、セキュリティ事故発生時の被害拡大を防止する仕組みを構築できるのが大きなメリットです。

不要な機器購入を防ぎ、コストを削減できる

必要機器が不足すると感じても、実際には他部署や倉庫に未使用品が放置されているケースは珍しくありません。管理台帳や専用ツールで利用状況を一元把握すれば、遊休機器を他部署へ再配分できます。これにより新規購入の必要性を大幅に減らし、予算を別の施策へ振り分けられます。

たとえば、余っているパソコンを新人研修用として転用すれば、購入コストだけでなく納品待ちによる業務停滞も防げます。結果として、資産の有効活用と経費削減を同時に実現できます。

棚卸しや貸出管理などの作業効率が向上する

紙やExcelでの棚卸しは、現物確認と台帳照合、後からの入力という二重作業が発生し、多くの人員と時間を消費していました。IT機器管理ツールを導入すると、QRコードやバーコードをスキャンするだけで台帳が即時更新され、貸出や返却の記録も自動反映されます。

これにより棚卸時間は大幅に短縮され、在庫検索や貸出スケジュールの調整も瞬時に可能です。現場では人為的ミスが減り、繁忙期でも正確で効果的な機器管理が継続できる体制が整います。

私物利用や横領など不正の防止にも効果がある

管理が甘いと、支給端末の私的利用や無断持ち出しが発生しても発覚が遅れてしまいます。台帳やツールで機器と利用者を紐づけ、持ち出し・返却履歴を残すことで、不審な動きを即座に把握できます。使用状況が常に記録されることで従業員の意識も向上し、不正抑止にも効果的です。

こうした仕組みを整えることで、組織全体の資産管理の透明性が高まり、安定した運用体制を維持できるでしょう。

IT機器管理台帳の作成と運用方法

IT機器管理台帳は、企業が所有するパソコンやスマートフォン、周辺機器などの情報を一覧化し、所在や利用状況を明確にするための管理表です。Excelで作成する場合は「管理番号・機器名・型番・購入日・利用者・設置場所・状態・最新更新日」などを記載します。

これにより、貸出や返却、棚卸時の確認が簡単になり、紛失や重複購入の防止にも役立ちます。定期的な更新を行い、常に最新の状態を反映させることが運用の鍵です。

IT機器管理の基本ステップと導入の流れ

IT機器管理を効果的に進めるには、導入前の準備から運用・改善までの流れを明確にすることが重要です。ここでは、管理体制を整えるための基本ステップについて解説します。

従業員に管理ルールや運用方針を教育する

IT機器管理を定着させるには、担当者だけでなく全従業員がルールや目的について正しく理解することが重要です。貸出や返却の手順、紛失時の報告方法、台帳更新のタイミングなどを明文化し、研修やマニュアルで周知します。

ルールが徹底されていなければ、せっかくの管理体制も形骸化しやすく、情報漏えいや紛失のリスクが残ります。定期的な再教育を行えば、運用精度の維持や意識向上につながります。

全てのIT機器をリスト化して把握する

次は社内に存在する全てのIT機器を洗い出し、機種や型番、利用状況、設置場所などを整理します。この棚卸しの作業を怠ると、遊休機器の把握や余剰在庫の有効活用ができません。特に拠点や部署が多い場合、現場任せでは情報が分断されやすいため、一括で情報を収集・統合する体制が重要です。

リスト化により所在不明や重複購入の防止が可能となり、効率的な資産活用が進みます。

IT機器ごとに台帳を作成して管理を開始する

リスト化した情報をもとに、機器ごとに管理番号を付与した台帳を作成します。台帳には購入日、利用者、保管期間、状態などを記録し貸出や返却、廃棄の履歴も残します。紙やExcelでの管理も可能ですが、リアルタイム更新や検索性を高めるならクラウド型の管理ツールがおすすめです。

運用を始める際は、記録漏れ防止のための入力手順や更新ルールを事前に整備しておくことが重要です。

台帳の情報を定期的に見直し・更新する体制を整える

台帳は作成して終わりではなく、常に最新の状態を保つ必要があります。新規購入や廃棄情報を都度更新する以外にも、定期的に棚卸しを行い、実物と記録の一致を確認しましょう。更新頻度や担当者をあらかじめ決めておけば、属人化や情報の陳腐化を防げます。

特に複数拠点やテレワーク環境では、オンラインで更新状況を共有できる仕組みは有効で、管理精度と透明性の向上につながります。

IT機器を効率よく管理するには専用ツールの導入が効果的

IT機器を効率よく管理するには、専用の管理ツールを導入することが有効です。QRコードやICタグを用いたスキャン方式であれば、貸出・返却や棚卸しの入力作業を大幅に短縮でき、リアルタイムでの更新も可能です。クラウド型の管理台帳なら拠点や部門をまたいだ情報共有も容易になり、機器の状況や利用履歴を一元管理できます。

さらに、セキュリティパッチやソフトウェア配布、契約・ライセンス管理、リモート操作、USB制御、操作ログ取得などの機能を備えたIT資産管理ツールを活用すれば、運用の手間削減と同時にセキュリティ強化も実現できます。

まとめ

IT機器管理は、適切なルール設定と運用によりセキュリティ強化やコスト削減、業務効率化を同時に実現できる取り組みです。しかし、台帳作成や棚卸し、貸出・返却管理など時間と労力がかかるうえ、精度を保つには継続的な改善が欠かせません。

こうした負担を軽減し、導入から運用・保守までをスムーズに行うには、専門サービスの活用が効果的です。たとえば、機器の調達から台帳整備、キッティング、設置作業、運用後の資産管理やデータ消去、保守対応までを一元化すれば、日々の更新や棚卸しも効率化され、情報の正確性を維持できます。

管理業務にかかる時間を削減し、社内リソースを戦略業務に集約可能です。IT機器の導入や管理体制の見直しが必要な場合や、運用負荷が高まっている場合は弊社サービス「フルライフサポートサービス」やBPOサービスをぜひご検討ください。

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