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アウトソーシング・外注

アウトソーシングと外注の違いとは?メリットから成功のポイントまで解説

この記事がオススメな方

主な対象:ファブレス企業、製品メーカ、セットメーカ

  1. 上司や経営層から外注もしくはアウトソーシングを検討するように指示されたものの、双方の違いがわからないため詳しく知りたい方

「アウトソーシングと外注の違いがわからない」といった悩みを抱えている人もいるでしょう。双方ともに、外部の力を活用した業務の進め方ですが、実態は異なります。本記事では、アウトソーシングに関して外注との違いや、導入するメリットについて解説します。成功のポイントもまとめるので、アウトソーシングを検討されている人は最後までご覧ください。

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アウトソーシングとは?

まずは、アウトソーシングについて基本的な意味や、似た形態として名の挙がる外注などとの違いについて詳しく解説します。それぞれ異なる意味を持つため、違いを理解しておきましょう。

アウトソーシングの基本的な意味

アウトソーシングとは、業務プロセスの一部や特定の部門全体を、外部の企業へ委託する経営戦略です。経理や人事、IT運用といった、事業運営に不可欠でありながらも直接的な利益を生み出さない「ノンコア業務」を外部の専門家へ任せます。そのため、自社のリソースを企業の収益や成長に直結する「コア業務」に集中可能です。

外注との違い

アウトソーシングと外注には、業務を外部に依頼する点で共通しているものの、目的と関係性が異なります。外注は、おもにコスト削減を目的とし、部分的な業務を委託する「作業代行」の色合いが濃いです。

一方で、アウトソーシングは、業務の企画・設計段階から深く関与し、高い次元の目標を達成するための「戦略的なパートナー」という位置づけです。

派遣との違い

最も大きな違いは、契約形態と「指揮命令権」の所在です。アウトソーシングは、「業務委託契約」であり、委託した業務の進め方に関する指示や管理は、全て受託したアウトソーシング会社が行います。

これに対し、派遣は「労働者派遣契約」です。派遣されたスタッフは派遣先企業のオフィスで、その企業の従業員から直接指示を受けて業務を遂行します。

BPOとの違い

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、アウトソーシングの一形態です。

通常のアウトソーシングが特定の業務を切り出して委託するのに対し、BPOは人事部門や経理部門といった業務プロセス全体を、企画・設計から実際の運用、効果測定、改善提案まで含めて一括して長期間にわたり外部委託する手法を指します。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングの導入は、企業に多岐にわたるメリットをもたらします。ここでは具体的なメリットについて解説します。

コア業務へ集中できる

アウトソーシングの本質的なメリットは、従業員を定型的な事務作業や専門外の業務から解放し、企業の収益に直接貢献するコア業務にリソースを集中できる点です。従業員はより創造的で付加価値の高い仕事に取り組めるため、モチベーションの向上にもつながります。企業全体の生産性が向上し、イノベーションの創出も期待できます。

専門性を活用できる

自社にない専門的な知識や技術・ノウハウを、人材採用や育成というプロセスを経ずに、すぐに活用できる点は大きなメリットです。法改正が頻繁な分野や、技術革新が著しいIT分野であっても、専門企業が持つ最新の情報を自社の業務に即座に反映可能です。業務の品質や効率が向上するだけでなく、高いレベルの業務体制を維持できます。

コストを削減できる

アウトソーシングは、コストの削減にもつながります。専門業務のために人材を新規採用する場合、月々の給与だけでなく、採用広告費、教育研修費、社会保険料、福利厚生費など、多くの付随コストが発生します。アウトソーシングを活用すれば、費用を抑制できるだけでなく、業務の繁閑に合わせて外部への発注量を柔軟に調整可能です。

組織がスリム化し、柔軟性が高まる

ノンコア業務を外部のプロフェッショナルに任せれば、自社で抱える従業員や設備を必要最小限に抑え、筋肉質でスリムな組織体制を実現できます。アウトソーシングによって組織をスリム化すれば、市場の急な変化や新たなビジネスチャンスに対してスムーズかつ柔軟に対応できる機動力が生まれ、企業経営の安定性が高まるでしょう。

客観的な視点が導入され不正防止につながる

長年同じ組織、同じメンバーで業務を行っていると、無意識のうちに非効率な手順が慣習化したり、特定の担当者しか業務内容を把握していない「属人化」が進んだりしがちです。アウトソーシングを導入し、第三者である専門家の客観的な視点を取り入れることで、これまで気づかなかった業務プロセスの問題点や改善点が可視化され、不正防止にもつながります。

アウトソーシングのデメリット

多くのメリットをもたらすアウトソーシングにもデメリットは存在します。代表的なデメリットを詳しく解説するため、導入前の参考にしてください。

ノウハウが蓄積されない

業務を全面的に外部へ委託するため、業務の具体的な手順や、トラブル発生時の対応策、効率化のための改善ノウハウといった知見が自社内に蓄積されにくくなります。委託先に依存しきりの状態が続くと、社内にその業務を理解する人材が育たず、業務内容が完全にブラックボックス化してしまうでしょう。定期的な報告会やマニュアルの共同管理が求められます。

情報漏えいのリスクがある

アウトソーシングでは、業務遂行のために顧客の個人情報、財務データ、製品の技術情報といった機密情報を委託先と共有しなければなりません。委託先のセキュリティ管理体制の不備や従業員の過失によって情報漏えいが発生すれば、企業の社会的信用は失墜し、多額の損害賠償に発展しかねません。委託先のセキュリティ認証の取得状況チェックは不可欠です。

ガバナンスの低下につながる

業務を外部に委託する場合、業務プロセスが自社の目の届かない場所で行われます。そのため、業務の品質が適切に維持されているか、法令やコンプライアンスが遵守されているかを直接コントロールすることが難しくなり、ガバナンスの低下につながりかねません。定期的な監査を行うなど、統制を効かせる仕組みづくりが求められます。

アウトソーシング導入を成功させるための4ステップ

ここからはアウトソーシング導入を成功させるためのポイントを、4つのステップで解説します。

STEP1:現状の課題分析と目的の明確化

最初に、自社の全部門の業務プロセスを詳細に可視化し、「誰が」「何を」「どれくらいの時間をかけて」行っているのかを正確に把握しましょう。現状の課題を浮き彫りにし、その上で、「なぜアウトソーシングを行うのか」という目的を、具体的かつ定量的に設定します。目的が明確であるほど、後のステップをブレずに進められます。

STEP2:委託する業務範囲の決定

明確化した目的に基づき、アウトソーシングする業務の具体的な範囲と内容を決めましょう。自社の全業務の中から、企業の競争力の源泉である「コア業務」と、それを支援する「ノンコア業務」とを慎重に切り分け、原則としてノンコア業務を委託の候補とします。業務を「丸投げ」するのではなく、管理すべき範囲を明確にすることが失敗を防ぐポイントです。

STEP3:委託先の選定

委託したい業務範囲と目的が定まったら、最適なアウトソーシング会社を選定します。複数の候補企業をリストアップし、実績や専門性、得意分野を比較するのはもちろん、セキュリティ体制の信頼性や費用とサービス内容のバランスを比較しましょう。担当者とのコミュニケーションの円滑さや、自社の事業への理解度といった点も重要な判断材料です。

STEP4:円滑な引き継ぎと運用

委託先を決定した後は、業務をスムーズに移管するための引き継ぎが不可欠です。既存の業務マニュアルを共有し、必要に応じて現場担当者による研修期間を設けるなど、委託先が混乱なく業務を開始できる環境を整えます。導入後は、定期的なミーティングの場を設け、継続的なコミュニケーションを通じて運用体制を最適化しましょう。

アウトソーシングに適した業務

実際にどのような業務がアウトソーシングに適しているのでしょうか。ここでは、具体的な業務について説明します。

IT業務全般

専門知識が不可欠なIT業務は、アウトソーシングに非常に適した分野です。従業員からの問い合わせに対応するヘルプデスク、24時間365日の監視が求められるサーバーやネットワークの運用保守、専門的なスキルが必要なシステムの開発やセキュリティ対策などが挙げられます。専門業者に委託すれば、高度な技術力と最新の知見をスムーズに活用可能です。

営業

企業の顔である営業活動はアウトソーシングに不向きに思えるかもしれませんが、プロセスを分解すると委託に適した業務が多く存在します。Webサイトからの問い合わせ対応、見込み客のリストアップ、電話やメールによるアポイント獲得などが具体例です。自社の営業担当者は、成約に直結する重要なコア業務に注力できます。

人事

人事領域には、給与計算や社会保険手続き、勤怠管理、年末調整、入退社手続きなど、専門知識が求められる定型業務が数多く存在します。これらの業務は、頻繁な法改正への正確な対応が求められるため、専門のアウトソーシング会社に委託すれば、コンプライアンスを遵守しつつ、正確かつ効率的に処理できます。

経理

経理業務も、専門性と定型性の両面からアウトソーシングに適した分野の1つです。日々の伝票入力や記帳代行、請求書の発行・発送、売掛金の入金管理、経費精算といった定型業務から、月次・年次の決算業務といった高度な専門知識を要する業務まで、企業のステージやニーズに合わせて幅広く委託できます。電子帳簿保存法など複雑な法改正にも対応できます。

まとめ

アウトソーシングは、業務の一部を外部の専門企業に委託し、自社の貴重なリソースを利益に直結するコア業務へと集中させるための経営戦略です。本記事では、アウトソーシングの基本からメリットやデメリット、成功するためのポイントをまとめました。

アウトソーシングに適した業務も紹介したので、自社でも導入を検討してください。適切な委託先が見つからなければ、日立ケーイーシステムズにご相談ください。以下のリンクより詳細をご確認いただけます。

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