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ヘルプデスク業務の最適化|アウトソーシングの活用方法と料金体系も解説
この記事がオススメな方
主な対象:ファブレス企業、製品メーカー、セットメーカー
- 社内のヘルプデスク対応が追いつかず、アウトソーシングの仕組みやメリットを詳しく知りたい方
- ヘルプデスクの外注を検討しているが、費用相場や料金体系の違いを比較して判断したい方
- ヘルプデスクアウトソーシングの選定ポイントや注意点を調べて失敗を避けたい方
こんにちは。「フルライフサポートサービス」、「BPOサービス」でPC・IT機器の様々なお困りごとをワンストップで解決する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
業務のデジタル化やリモートワーク拡大により、社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数は増加傾向にあります。限られた人員で対応しきれず、業務停滞を招く企業も少なくありません。こうした課題を解決する手段として注目されているのがアウトソーシングです。
この記事では、ヘルプデスク業務におけるアウトソーシングの仕組みや特徴に加え、料金体系や委託先の重要なポイントまで解説していきます。
PC・IT機器のフルライフサポートサービス BPOサービスの詳細目次
ヘルプデスクとは
ヘルプデスクとは、従業員や顧客からの問い合わせに対応し、システムやサービスのトラブル解決を支援する窓口のことです。この窓口を設けることで、利用者は困ったときに適切なサポートを受けられます。ここでは、ヘルプデスクの基本的な仕組みや位置づけについて解説します。
ヘルプデスクの役割と重要性
ヘルプデスクは、システムや機器に関する使い方や質問に対応し、業務を止めないための重要な窓口です。問い合わせ1件ごとに、時間と知識が必要で、人手不足の企業では負担になりやすいでしょう。対応が遅れると顧客対応や取引にも影響するため、企業の信頼を守る上でも、ヘルプデスクは欠かせません。
ヘルプデスクとカスタマーサポートの違い
カスタマーサポートは顧客からの相談全般を受ける窓口であるのに対し、ヘルプデスクは社内外を対象に緊急度や重要度の高い問題解決を担います。パソコンやネットワーク機器、業務アプリの障害対応などが代表例です。名称は異なる場合もありますが、どちらも企業活動を支える点で重要な役割を果たしています。
ヘルプデスク業務をアウトソーシングする仕組みと特徴
ヘルプデスクのアウトソーシングとは、従業員や顧客からの問い合わせ対応を外部の専門業者に委託する仕組みです。社内向けではパソコン設定やシステム障害対応、業務アプリの案内など、社外向けでは、製品サポートやクレーム対応などを担当します。
依頼を受けた専門業者はまず自社専用の窓口を設け、マニュアルやナレッジベースを整備して業務を引き継ぎます。導入時には自社担当者と合同でトレーニングを行い、システム設定や対応手順を詳細に共有します。
さらに、対応履歴はシステム上で記録・共有されるため、外部スタッフでも自社と同等の品質での対応が可能です。
ヘルプデスクアウトソーシングのおもな設置形態
ヘルプデスクのアウトソーシングには、常駐型から外部拠点型まで複数の運用方法があります。ここでは代表的な設置形態と、それぞれの特徴を解説します。
オンサイト型|発注先企業に常駐して対応
オンサイト型は、委託先のスタッフが発注元企業に常駐し、社内で問い合わせ対応を行う形態です。社内システムや業務フローを把握しやすく、情報共有や緊急対応もスムーズに進められます。既存のヘルプデスクの増員や部署単位で少人数を配置したいケースに最適な運用方法です。
オフサイト型|外部拠点で集中的にサポート
オフサイト型は、外部のコンタクトセンターや委託業者の拠点で問い合わせ対応を行う方法です。設備や人員を新たに確保する必要がなく、短期間で立ち上げられる点が特徴です。常時複数のオペレーターが稼働する大規模な窓口や、夜間・休日対応など柔軟なサポートが必要な企業に最適です。
ハイブリッド型|常駐と外部拠点を組み合わせた柔軟運用
ハイブリッド型は、社内常駐スタッフと外部拠点のオペレーターが連携して対応する形態です。急ぎの問い合わせは常駐担当者が直接処理し、一般的な対応は外部拠点で効率的に処理します。
コストを抑えながら即時対応も可能になるため、サポート体制を柔軟に強化したいケースに最適です。
ヘルプデスクアウトソーシングのメリット
ヘルプデスク業務を外部に委託することで、社内の負担が軽減するだけでなく、社内対応だけでは難しい課題を解決しやすくなります。ここでは、アウトソーシングを導入することで得られるおもなメリットを解説します。
対応スピードを高められる
外部の専門スタッフは豊富な知識と経験を持ち、問い合わせに素早く対応できます。蓄積されたナレッジを活用し、トラブル原因を迅速に特定する体制が整っています。FAQやマニュアルも充実しており、問題解決までの時間を大幅に短縮できるため、ユーザー満足度を高めやすい点が強みです。
担当者の業務負担を軽減できる
社内ヘルプデスクでは、初歩的な質問から高度なトラブルまで幅広い対応が求められます。アウトソーシングを活用すれば、この業務を専門スタッフに任せられるため、情報システム部門はセキュリティ対策やシステム開発など、コア業務への専念が可能です。
結果として、従業員の負担が軽減され、社内全体の生産性向上にもつながります。
サポート体制を標準化しやすい
外部業者はマニュアルやナレッジベースを活用して対応するため、担当者ごとのばらつきが出にくくなります。問い合わせ内容に応じた統一的な手順で対応できるため、サポート品質を一定に保ちやすいのが特徴です。
さらに、業務フローや記録管理も整うため、属人化を防ぎ、長期的に安定した運用体制を構築しやすくなっています。
運営コストを抑えられる
自社でヘルプデスクを運営する場合、人材採用や研修、設備投資など多額の固定費が必要です。アウトソーシングなら必要な分だけ変動費として支払えるため、コストを効率的に最適化できます。
さらに、繁忙期や業務量に合わせた人員配置が可能になり、無駄な支出を抑えながら高品質なサポート体制を維持しやすいのも大きな利点です。
専門的な知識やノウハウを活用できる
アウトソーシング先には、特定分野に詳しい専門スタッフや資格保有者が多数在籍しています。他社の運営で培ったノウハウも生かせるため、複雑なトラブルにも柔軟かつ迅速に対応可能です。
さらに、最新のセキュリティ対策や運用手法を取り入れられるため、自社だけでは得にくい知識を効率的に活用できるのも大きな強みです。
ヘルプデスクアウトソーシングのデメリット
ヘルプデスク業務を外部に委託することで多くの利点がありますが、注意すべきリスクも存在します。ここでは、アウトソーシングを検討する際に知っておきたいおもなデメリットを解説します。
情報セキュリティリスクが伴う
ヘルプデスクを外部委託すると、顧客情報や社内データを扱うため、情報漏えいのリスクが生じます。対策としては、PマークやISMS認証を取得した業者を選ぶことが重要です。
加えて、アクセス権限の制限やデータ持ち出し禁止など、具体的な管理体制を事前に確認しておくと安心です。
サポート品質が低下する可能性がある
外部スタッフが企業特有の業務や製品知識を十分に理解していない場合、対応品質が下がる恐れがあります。緊急時の判断遅れや顧客対応の不一致もリスクです。定期的な報告会やマニュアル共有、外部スタッフへのトレーニングを実施することで、品質低下を防ぎやすくなります。
社内にノウハウが蓄積されにくい
ヘルプデスク対応を外部委託すると、日々の問い合わせで得られる知識や解決方法が社内に蓄積されにくくなります。その結果、将来的な対応力が低下する可能性があります。対応策としては、対応履歴を共有する仕組みを整え、自社にもナレッジを蓄積することが大切です。
ヘルプデスクアウトソーシングの費用相場と料金体系
ヘルプデスク業務を外部に委託する際は、料金体系を理解しておくことが重要です。ここでは代表的な料金プランである固定料金制と従量課金制の特徴を解説します。
固定料金制
固定料金制は、あらかじめ決めた月額料金でヘルプデスクサービスを利用する仕組みです。問い合わせ件数が多い場合でも追加料金がかからず、予算を立てやすいのが大きな特徴です。安定したサポートを必要とする企業や、一定以上の利用件数が見込まれる場合に適しています。
ただし、件数が少ない月でも定額費用が発生するため、注意しましょう。
従量課金制
従量課金制は、問い合わせ件数や対応時間に応じて料金が変動する仕組みです。利用が少ない月は費用を抑えやすく、繁忙期や季節変動にも柔軟に対応できます。一方で、利用が集中すると高額になる可能性があるため、予算管理には注意が必要です。
変動が大きい企業や、必要な分だけ効率的に利用したい場合に向いています。
アウトソーシング先を選ぶ際のポイント
ヘルプデスク業務を依託する際は、業者ごとの特徴を見極めることが重要です。ここでは、委託先を選定する際に確認すべきポイントについて解説します。
実績と専門スキルの内容
委託先を選ぶ際は、業者が持つ専門スキルと実績を必ず確認しましょう。過去の対応事例や同業種でのサポート経験が豊富な業者は、問題解決の精度が高い傾向にあります。導入前に技術アセスメントや事例確認を行うことで、自社に適したサービスを見極めやすくなります。
安全性を確保するセキュリティ体制
ヘルプデスク業務では、顧客情報や社内データを扱うため、委託先のセキュリティ対策は最優先の確認事項といえます。PマークやISMS認証の取得有無、入室制限やデータ管理方法などをチェックしましょう。インシデント対応手順を事前に把握しておくと、リスクを最小限に抑えられます。
報告・共有を含むコミュニケーション力
委託先とスムーズに情報共有できる体制は、品質を維持するために欠かせません。定例報告や日次レポートの有無、緊急時の連絡体制などを確認しましょう。問題発生時に迅速な対応を可能にするためには、業者とのコミュニケーションルールを事前に明確化しておくことが大切です。
契約内容を明確化するSLAの整備
SLA(サービスレベルアグリーメント)は、対応時間や解決期限などサービス品質を明確に定める契約です。基準を数値で設定し、業者と共有することで、期待する水準をそろえやすくなります。未達時の対応や定期的なレビュー方法も盛り込み、認識のズレを防ぐことが大切です。
まとめ
ヘルプデスク業務をアウトソーシングすると、対応スピードの向上やコスト削減、専門知識の活用など多くのメリットがあります。一方で、セキュリティリスクや社内ノウハウ不足などの注意点もあるため、導入時は委託範囲や体制を丁寧に設計することが重要です。
今後、限られたリソースで効率的な運用を行うには、社内だけで解決しようとせず、外部サービスを上手に活用する視点が欠かせません。まずは、自社の現状や課題を整理し、必要なサポート範囲を明確にしてから比較検討を進めると失敗を防ぎやすくなります。
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