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企業のパソコン管理に適した方法|リスク対策の実施手順や管理ツールの選び方を解説
この記事がオススメな方
主な対象:ファブレス企業、製品メーカー、セットメーカー
- 社内のパソコン台数が増えて管理が煩雑になり、効率的な管理方法やツールを探している方
- 情報漏えいやセキュリティ事故を防ぐため、パソコン管理で押さえるべきポイントを知りたい方
- ライセンス管理や資産管理を適正化するため、PC管理ツールの選び方や導入手順を調べている方
こんにちは。「フルライフサポートサービス」、「BPOサービス」でPC・IT機器の様々なお困りごとをワンストップで解決する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
近年、企業で使用するパソコン台数は増加傾向にあり、管理体制が不十分では情報漏えいやセキュリティ事故、不要なコスト発生といったリスクを抱えます。効率的で安全な運用を実現するには、適切な管理方法と専用ツールの活用が重要です。
この記事では、企業におけるパソコン管理の重要性や想定されるリスク、効果的な実施手順、さらに管理ツールを選ぶ際のポイントまでわかりやすく解説します。
PC・IT機器のフルライフサポートサービス BPOサービスの詳細目次
企業におけるパソコン管理が重要視される理由
企業におけるパソコン管理とは、社内で使用するパソコンやデータ、ソフトウェアを適切に一元管理する取り組みを指します。DXの推進やテレワークの普及により、従業員1人あたり複数台のパソコンを利用するケースも増え、企業が管理すべきIT資産は急増しています。
こうした環境変化により、パソコン管理は業務効率やセキュリティ体制の強化、コスト最適化に直結する重要な課題となりました。管理体制が整っていないと、情報管理の不整合や運用ルールのばらつきなど、企業全体のリスク要因が増大する恐れがあります。
そのため、組織として統一した方針を定め、専用ツールや仕組みを活用した効率的な管理が求められています。
パソコン管理を怠った場合に起こるリスク
パソコン管理を怠ると、企業運営にさまざまな問題を引き起こす可能性があります。ここでは、管理不備によって生じやすいおもなリスクについて解説します。
セキュリティ事故や情報漏えいの危険性
パソコン管理が不十分では、OSやソフトウェアの更新漏れなどからセキュリティの脆弱性が生じ、不正アクセスやマルウェア感染のリスクが高まります。さらに、端末の盗難や紛失時に暗号化されていない場合、機密情報が外部へ流出する恐れもあります。
顧客や取引先の信頼を損なうだけでなく、法的責任や損害賠償にも発展しかねないため、日常的なセキュリティ対策が欠かせません。
管理不備による無駄なコスト増大
パソコンのライフサイクル管理が行き届いていないと、使用状況を把握できず、必要のない端末を追加購入したり不要なライセンスを継続契約してしまう恐れがあります。さらに、老朽化した端末を使い続けることで故障が増え、修理費や業務停止による損失が膨らむ可能性もあります。
コスト最適化や業務効率向上を両立させるには、効率的な資産管理が欠かせません。
ライセンス管理不備による法的トラブル
企業で利用する有償ソフトウェアは、契約台数や利用期間などが厳密に定められています。管理が甘いと、気づかないうちにライセンス数を超過し、契約違反となるリスクがあります。違反が発覚すれば、高額な損害賠償や法的トラブルに発展するケースも少なくありません。
ライセンスを正しく把握・管理することで、法令遵守とコスト削減の両面で安心した運用が可能になります。
パソコン管理で対策すべき課題
近年の業務環境では、パソコン管理に求められる課題が複雑化しています。ここでは、企業が特に重視すべきおもな対策ポイントについて解説します。
セキュリティ脅威の高度化への対応
クラウド利用やリモートワークの普及により、サイバー攻撃は年々巧妙化しています。従来型の対策だけでは防ぎきれないケースも増えており、常に最新の脅威動向を把握した管理体制が必要です。パソコン管理ではOSやソフトウェアの更新徹底、セキュリティポリシーの統一、監視体制の強化が求められます。
多様化するデバイス・アプリへの効率的な管理
業務で使用するデバイスやアプリケーションが増加し、統一的な管理が難しくなっています。異なるプラットフォームや環境でデータを扱うため、情報の一貫性を保つ仕組みが欠かせません。効率化には、パソコン管理の自動化やクラウド型管理ツールを活用し、デバイス・アプリをまとめて把握できる体制を構築する必要があります。
リモートアクセスとBYODへのセキュリティ対策
テレワークの拡大やBYODの普及により、社外から社内ネットワークへアクセスする機会が増えています。この環境では、デバイスごとのセキュリティ対策や業務データと個人データの分離が不可欠です。VPNや多要素認証の導入、ポリシー準拠を徹底した管理体制を整備することで、安全なリモート環境を実現できます。
パソコン管理を効果的に進めるための実施手順
パソコン管理を効果的に進めるには、計画的な手順を踏むことが重要です。ここでは、管理体制を整備し、効率的かつ安全に運用するための具体的なステップを解説します。
1. 管理ポリシーを策定する
パソコン管理を始める際は、まず組織全体で統一した管理ポリシーを策定することが重要です。利用を許可するソフトウェアやバージョン、セキュリティ基準、端末の持ち出しルールなどを明確に定めることで、従業員間の運用差をなくせます。
ポリシーを文書化し周知徹底することで、全社的に統一された安全な管理体制を構築できます。
2. 所有パソコンと資産情報を正確に把握する
効率的なパソコン管理のためには、まず所有する全ての端末と資産情報を正確に把握する必要があります。端末の利用者、OSやソフトのバージョン、購入日、保証期間などを記録し、一元管理できる仕組みを整備しましょう。
資産情報を適切に管理することで、老朽化した端末の早期発見やライフサイクルの最適化が可能になります。
3. ソフトウェアとライセンスを適切に管理する
ライセンス超過や不正利用を防ぐため、どの端末でどのソフトウェアを使用しているかを明確に把握することが大切です。ライセンスの有効期限や更新状況を定期的に確認し、過不足がない状態を維持しましょう。
専用の管理ツールを活用すれば、インストール状況を可視化でき、法令遵守とコスト削減の両立がしやすくなります。
4. セキュリティ体制を強化する
マルウェアや不正アクセスから企業資産を守るため、OSやソフトウェアのアップデートを徹底し、ウイルス対策やデータ暗号化を実施します。さらに、多要素認証やアクセス制御などの仕組みを導入すれば、脅威への耐性を高めることも可能です。
セキュリティ対策は一度きりではなく、継続的な改善を前提に体制を整備する必要があります。
5. 定期的な監査とポリシーの見直しを行う
パソコン管理は導入して終わりではなく、定期的な棚卸しや監査を通じて実施状況を確認することが重要です。管理の抜け漏れやセキュリティリスクを早期に発見でき、迅速な対策につながります。また、技術進化や働き方の変化に合わせて管理ポリシーを更新し、常に最適な運用体制を維持することが重要です。
企業のパソコン管理は専用ツールの活用が効果的
企業で使用するパソコンの台数が増えると、人力での管理には限界があります。そこで効果を発揮するのが「パソコン管理専用ツール」です。たとえば、IT資産管理ツールを導入すれば、各パソコンのハードウェア情報やソフトウェア状況を自動で収集し、資産台帳を正確かつ効率的に作成できます。
さらに、操作ログの取得やUSB使用制限、Webフィルタリングなどの機能を活用すれば、セキュリティ体制を強化することも可能です。たとえば、従業員が勝手に許可されていないソフトウェアをインストールした場合でも、ツールを通じてすぐに検知できます。
これにより、無駄な端末購入を防ぎ、ライセンスの適正管理やセキュリティ対策を同時に実現できます。効率的かつ安全なパソコン管理を行う上で、専用ツールの活用は不可欠です。
パソコン管理ツールを選ぶときのポイント
パソコン管理ツールを導入する際は、自社の課題や運用体制に合った製品を選ぶことが重要です。ここでは選定時に押さえておきたいおもなポイントを解説します。
導入目的と必要要件を明確にする
パソコン管理ツールを選定する前に、まず導入目的をはっきりさせることが重要です。セキュリティ強化や資産管理の効率化、リモート環境の最適化など、解決したい課題を具体化しましょう。目的を明確にすれば、必要な機能や導入後の運用方針が定まり、自社に最適なツールを選びやすくなります。
必要機能・カスタマイズ性・互換性を確認する
自社の業務に必要な機能を満たしているかを事前に確認しましょう。資産管理やライセンス管理、リモート制御、暗号化などの基本機能に加えて、セキュリティ監視やバックアップといった拡張機能も重要です。
さらに、複数のOSやアプリケーションに対応できる互換性があるかどうかもツール選定の大きな判断基準といえます。
操作性と使いやすさを重視する
パソコン管理ツールは、日常的に使用するため、直感的に操作できるUIであるかが重要です。操作が複雑では、導入後に定着せず業務効率が低下する恐れがあります。ダッシュボードやレポート機能が見やすく、必要な情報にすぐアクセスできる設計であれば、担当者以外の従業員もスムーズに活用できるでしょう。
サポート体制と更新性をチェックする
トラブル発生時に迅速なサポートを受けられるかどうかは、安定した運用に欠かせません。問い合わせ対応の可否だけでなく、チャットや電話などのサポート手段や対応時間も確認しましょう。
また、ツールが定期的にアップデートされ、最新機能やセキュリティ対策が常に適用されるかどうかも、長期的に活用していく上で重要なポイントです。
セキュリティ対策が継続的に行えるか確認する
パソコン管理ツールは、導入後も継続的なセキュリティ更新が欠かせません。そのままのバージョンでは最新のサイバー攻撃に対応できず、情報漏えいや業務停止のリスクが高まります。定期的なアップデートやパッチ配布が確実に行われるか、ベンダーの対応方針を確認することで、安全な運用体制を維持できます。
まとめ
パソコンは業務に欠かせない資産ですが、管理不足は情報漏えいやセキュリティ事故、コスト増大などを招く恐れがあります。適切な管理体制を整えることで、業務効率の向上とリスク低減を同時に実現できます。
ただ、パソコンの導入から設定、運用、保守、廃棄までを社内で一元的に管理するのは容易ではありません。台数が増えるほど作業は煩雑になり、担当者の負担や管理ミスのリスクも高まります。こうした状況を効率的に改善するには、外部サービスの活用が有効です。
パソコンやIT機器の調達からキッティング、設置、保守、データ消去までを一括で任せられる「フルライフサポートサービス」を導入すれば、管理業務を効率化できるだけでなく、セキュリティ対策とコスト最適化も実現できます。自社に合った運用体制を構築するためにも、ぜひ下記サービス詳細をご確認ください。
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