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IT機器キッティングとは?知るべき手順とアウトソーシング戦略を解説
この記事がオススメな方
主な対象:ファブレス企業、製品メーカー、セットメーカー
- 自社製品の出荷台数が増え、社内での初期設定(キッティング)作業が限界に達している。
- 出荷時のファームウェア書き込みや設定ミスによる初期不良を防ぐため、工程を見直したい。
- 製造委託先(EMS)や倉庫でのキッティング作業を効率化する手順やアウトソーシング先を探している。
こんにちは。「フルライフサポートサービス」、「BPOサービス」でPC・IT機器の様々なお困りごとをワンストップで解決する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
自社製品の出荷台数が増加し、社内での初期設定(キッティング)作業が限界に達していませんか。あるいは、出荷時の設定ミスによる初期不良やクレームを防ぐため、品質管理体制の見直しを検討されている人もいるでしょう。
本記事では、製品メーカー様向けに、IT機器キッティングの基本的な定義から、品質を担保するための具体的な作業手順、効率化を実現する3つの手法まで解説します。
さらに、コア業務へリソースを集中させるためのアウトソーシング戦略についても紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
※本記事に記載のサービス・機能・サポート内容は一般的な情報であり、当社にて必ずしも対応を保証するものではございません。
IT機器キッティングとは
始めに、キッティングの定義とその重要性を解説します。
キッティングの定義
キッティングとは、パソコンやスマートフォン、IoTデバイス、専用端末といったIT機器を、エンドユーザーが箱から出してすぐに使える状態にするための準備作業を指します。具体的には、OSやファームウェアのインストール、業務用アプリケーションの設定、ネットワーク接続設定、セキュリティ対策などを、出荷前に完了させておくプロセスです。
セットアップとの違い
キッティングとセットアップには、作業を行う主体と目的に違いがあります。キッティングは、製品の提供者側が、機器に対して均一な設定を行う標準化作業です。一方、セットアップは、利用者側が、自身の業務環境や好みに合わせて個別の設定を行う作業を指します。キッティングが十分であれば、ユーザーによるセットアップ作業は最小化されます。
キッティング品質の重要性
キッティングにおける設定ミスや手順の漏れは、製品の初期不良に直結し、顧客からのクレームや返品の原因となりかねません。サポートデスクのコスト増大を招くだけでなく、企業のブランドイメージや信頼性を損なうリスクです。安定した品質のキッティング体制を構築することは、事業の根幹を支える重要な経営課題です。
キッティングの作業内容と手順
高品質なキッティングを実現するためには、以下の手順に従って作業を進めることが不可欠です。
開梱・外観チェック
納品された機器を箱から取り出し、輸送中の破損や傷、汚れ、付属品の欠品がないかを目視で確認します。最初のステップで物理的な初期不良を発見することで、製品品質を担保し、後続の作業が無駄になるのを防げるでしょう。特に精密機器の場合、わずかな衝撃でも性能に影響を与える可能性があるため、丁寧な確認が求められます。
通電確認
機器の電源を投入し、正常に起動するか、液晶表示に異常はないかといった基本的な動作を確認する工程です。この段階で初期不良をスクリーニングし、インストール後の手戻りを防ぎます。
OS設定・アプリケーションのインストール
次に、OSの初期設定(言語、タイムゾーンなど)を行い、製品仕様書に基づいて必要なアプリケーションや自社開発のソフトウェア、最新のファームウェアなどをインストールしましょう。特に、インストールするソフトウェアのバージョン管理は重要で、誤ったバージョンを導入すると製品が正常に動作しない原因となります。
ネットワーク・セキュリティ設定
顧客が安全に製品を利用できる状態を保証するための重要な工程です。Wi-Fiや有線LANへの接続設定など、製品が環境に応じたネットワーク設定を行います。また、セキュリティを確保するために、最新のセキュリティパッチの適用、ウイルス対策ソフトの導入、ファイアウォール設定などもこの段階で実施します。
動作検証
全てのソフトウェアのインストールと設定が完了した後、製品が仕様書通りに正しく動作するかを検証する工程です。アプリケーションが正常に起動するか、ネットワークに問題なく接続できるか、周辺機器との連携はスムーズかなど、定められたチェックリストに基づいて1つ1つ確認作業を行います。品質基準を満たしているかを判断する最終テストです。
ラベリング・管理台帳への登録
製品のシリアル番号やMACアドレス、社内の資産管理番号などを記載したラベルを指定された位置に貼り付けます。これらの情報を管理台帳に正確に登録することで、出荷後のトレーサビリティが確保され、万が一の故障や問い合わせの際に、個々の製品情報を迅速に特定することが可能になります。正確な資産管理と効率的なアフターサポートに欠かせません。
キッティングのおもな3つの手法
ここではキッティングで用いられるおもな3つの手法について見ていきましょう。
手作業
1台ずつ手作業で設定を行っていく、基本的な手法です。多品種少量生産で、1台ごとに異なる設定が求められる場合に適しています。しかし、作業に時間がかかり、ヒューマンエラーが発生しやすいというデメリットがあります。出荷台数が増加すると、作業者の負担が急増し、品質のばらつきや納期の遅延を招く点には注意が必要です。
クローニング
設定済みのマスターとなる機器を作成し、そのハードディスクの内容を丸ごとコピー(クローニング)して、他の機器に複製する手法です。同一仕様の機器を大量にキッティングする場合に、作業時間の短縮と品質の均一化が図れます。ただし、マスター機の管理が重要となり、異なるハードウェア構成の機器には適用できないといった制約もあります。
MDM/プロビジョニングツールの活用
MDM(Mobile Device Management)やプロビジョニングツールといったIT資産管理ツールを活用し、ネットワーク経由で複数の機器に設定情報を一括で配信・適用する手法です。作業の自動化により、効率性と正確性を高めることができます。特に、OSアップデートやアプリケーションの追加なども遠隔で実行できるため、出荷後の運用管理も効率化可能です。
キッティング業務のポイント
キッティング業務の品質と効率を高めるために、現場で実践すべき4つのポイントを解説します。
作業スペースと動線の確保
大量の機器を効率的に処理するためには、十分な作業スペースと、整理された作業動線の確保が不可欠です。開梱エリア、設定作業エリア、梱包・出荷エリアを明確に分け、機器が一方向に流れるように動線を設計することで、作業の錯綜や取り違えを防ぎます。また、電源やネットワーク環境、保管するスペースなど、物理的な環境整備が欠かせません。
徹底したマニュアル化
キッティングの品質は、作業の標準化に関わります。誰が作業しても同じ結果になるよう、図や写真を用いてわかりやすい作業手順書(マニュアル)を作成し、徹底することが重要です。この標準化されたマニュアルが、作業品質のばらつきをなくし、新人でも即戦力として作業できる体制を築くための鍵となります。
ダブルチェック体制
どれだけマニュアルを整備しても、人間が作業する以上、ヒューマンエラーを完全になくすことは困難です。重要な設定項目やラベルの貼り付けなど、ミスが発生しやすいポイントでは、作業者とは別の担当者が確認を行う「ダブルチェック」の体制を導入することが有効です。設定ミスによる初期不良の流出を未然に防ぎ、製品の信頼性を高めることができます。
RPAや自動化ツールの導入検討
キッティング作業のなかには、ソフトウェアのインストール時に発生する「次へ」ボタンのクリックや、定型的なデータの入力など、単純な繰り返し操作が多く含まれます。RPA(Robotic Process Automation)といったツールを導入し、これらの定型作業を自動化すれば、作業者の負担を軽減し、より付加価値の高い確認作業などに注力可能です。
キッティングのアウトソーシング判断基準
社内でのキッティング作業に限界を感じた場合は、以下の情報を参考にアウトソーシングを検討しましょう。
アウトソーシングすべきタイミング
自社で対応すべきか、外部に委託すべきかを見極めるタイミングは大切です。具体的には、「製品の出荷台数が急増し、情報システム部門の本来業務を圧迫している」「設定ミスによる初期不良が増加し、サポートコストが増大している」「コア業務である製品開発やマーケティングにリソースを集中させたい」といった状況が挙げられます。
外注パートナー選びのチェック項目
信頼できるパートナーを選ぶには、自社製品と同種の機器の取り扱い実績や専門知識は十分か、情報漏洩を防ぐためのセキュリティ体制(ISMS認証など)が万全か、急な増産にも対応できるキャパシティと柔軟性はあるかなどの複数の観点で評価しましょう。必要項目をチェックリスト化し、複数候補を比較して選定します。
まとめ
本記事では、IT機器キッティングの重要性から具体的な手順、そして効率化や品質向上を実現するためのポイントについて解説しました。キッティングは、顧客満足度と企業ブランドを左右する重要な工程であり、その品質と効率は事業の成長に直結します。
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