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ファブレス

ファブレスとは?メリット・デメリットや向いている業界を解説

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主な対象:ファブレス企業、製品メーカー、セットメーカー

  1. 新規事業の計画立案にファブレスモデルの採用可能性を探っているため、メリット・デメリットを知りたい
  2. ファブレスの内容を正確に理解し、自分の意見を述べられるようにしたい
  3. ファブレスという形態が自社に合っているか判断したい

こんにちは。「フルライフサポートサービス」、「BPOサービス」でPC・IT機器の様々なお困りごとをワンストップで解決する日立ケーイーシステムズのライターチームです。

ファブレスは、製造業において自社で工場を持たない経営形態を指します。近年、初期投資を抑えながら事業をスタートしたい企業や、商品企画や開発に特化したい企業にとって注目の経営手法です。

本記事では、ファブレスの概念、メリット・デメリット、適した業界を解説します。自社の経営戦略を見直したい人や、新規事業の立ち上げを検討されている人は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載のサービス・機能・サポート内容は一般的な情報であり、当社にて必ずしも対応を保証するものではございません。

ファブレスとは

ファブレス(Fabless)とは、「Fabrication(製造)」と「Less(ない)」を組み合わせた造語です。自社で製造設備を持たずに製品の企画・設計・開発に特化するビジネスモデルを意味します。

ただし、ファブレスと似た用語がいくつか存在するため、その違いを正確に理解しておく必要があります。まずは、各用語との違いをおさえておきましょう。

アウトソーシングとの違い

ファブレスとアウトソーシングは、どちらも外部企業に業務を委託する点では共通していますが、その範囲と性質が異なります。アウトソーシングは、企業業務のうち特定業務を外部に委託する手法です。

経理や人事、ITシステムの運用管理など、製造以外の幅広い業務が対象です。一方、ファブレスは製造工程全体を外部委託するビジネスモデルそのものを指します。つまり、アウトソーシングは手段の1つであり、ファブレスは経営戦略全体を指す概念といえます。

ファンドリとの違い

ファンドリ(Foundry)は、製造設備を持たない企業から製造を受託する専門企業を指します。つまり、ファブレス企業とファンドリ企業は表裏一体の関係です。ファブレス企業が「製造しない側」であるのに対し、ファンドリ企業は「製造を請け負う側」です。

たとえば、半導体業界では、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が世界最大級のファンドリ企業として知られています。

OEM(Original Equipment Manufacturing)との違い

OEMは、他社ブランドの製品を製造する企業や、そのビジネスモデルを指します。製造を委託する点ではファブレスと似ていますが、決定的な違いがあります。ファブレスは製品の企画・設計を自社で行い、製造のみを外部委託します。

一方、OEMでは製造企業が設計や製造の技術・ノウハウを保有しており、委託元企業はそれらをブランド名を付けて販売するケースが多い点が特徴です。つまり、製品開発の主導権がどちらにあるかが大きな違いといえるでしょう。

ファブレス経営のメリット

ここでは、ファブレス経営のメリットを3つ解説します。自社の経営課題と照らし合わせながら、チェックしてみてください。

固定費や設備投資の削減

ファブレス経営の最大のメリットは、工場建設や製造設備への初期投資が不要になる点です。製造業において工場設備は莫大なコストを要し、さらに維持管理費や減価償却費などの固定費が継続的に発生します。

ファブレスであれば、これらの負担から解放され、財務体質を大幅に改善できます。浮いた資金を商品開発やマーケティングに振り向けられるため、競争力の強化にもつながるでしょう。

コア業務への集中

製造工程を外部に委託すれば、企業は本来注力すべき業務に経営資源を集中できます。商品企画、研究開発、ブランディング、マーケティング戦略など、これらの付加価値の高い業務に人材と時間を投入できるため、競争優位性を築きやすくなります。

さらに、製造現場の管理や品質管理、設備メンテナンスといった業務から解放されることで、より戦略的な意思決定に専念できる環境が整うでしょう。

市場への参入スピード向上

ファブレスモデルでは、製品化までのリードタイムを大幅に短縮できます。自社で製造設備を整える必要がないため、アイデアが生まれてから市場投入までのスピードが加速するためです。

特に変化の激しい業界では、このスピード感が競争優位性を左右します。すでに製造能力を持つファンドリ企業と連携すれば、すぐに量産体制に入れるでしょう。

ファブレス経営のデメリット

ファブレス経営には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。導入を検討されている人は、以下のポイントをしっかりおさえておきましょう。

品質や生産管理の問題

製造を外部委託するため、品質管理や生産プロセスの直接的なコントロールが難しくなります。ファンドリ企業の製造能力や品質管理体制に依存するため、期待する品質が確保できないリスクがあります。

また、複数の企業から受注しているファンドリでは、自社製品の優先順位が下がり、納期遅延が発生する可能性もゼロではありません。これらのリスクを軽減するには、信頼できるパートナー選びと、綿密なコミュニケーション体制の構築が欠かせません。

機密情報の漏洩リスク

製品の設計図や技術仕様を外部企業と共有するため、機密情報が漏洩するリスクが常に存在します。ファンドリ企業が競合他社とも取引している場合、意図せず情報がわたる可能性もゼロではありません。

そのため、厳格な秘密保持契約(NDA)の締結や技術情報の分散管理、信頼性の高いパートナー選定などが必要です。

製造プロセスやノウハウのブラックボックス化

製造を長期間外部委託し続けると、社内に製造技術やノウハウが蓄積されなくなります。製造プロセスがブラックボックス化すれば、将来的に自社生産への転換が必要になった際に対応できません。

また、製造現場で得られる改善アイデアや技術的なフィードバックを製品開発に活かせなくなるため、イノベーションの機会を逃す可能性もあります。

ファブレス経営が向いている業界

ファブレス経営は、全ての業界に適しているわけではありません。ここでは、ファブレスモデルが成功しやすい3つの業界を紹介するので、自社の業界特性と照らし合わせてみてください。

半導体業界

半導体業界は、ファブレスモデルが浸透している分野です。半導体製造には数千億円規模の巨額投資が必要で、最先端の製造装置は常にアップデートされ続けます。このような環境下では、製造設備を持たず設計に特化する戦略が合理的です。

技術革新のスピードが速く、製品ライフサイクルが短い半導体業界において、設備投資リスクを回避しながら開発に集中できるファブレスは、理想的な経営形態といえるでしょう。

IT・エレクトロニクス業界

スマートフォンやパソコン、IoTデバイスなどを扱うIT・エレクトロニクス業界でも、ファブレスモデルは広く採用されています。アップルがその代表例です。製品の企画・設計・マーケティングに特化し、製造は台湾や中国の専門企業に委託しています。

この戦略により、革新的な製品開発とブランド価値の向上に経営資源を集中させ、世界的な成功を収めました。市場ニーズの変化が激しく、短期間での製品投入が求められるこの業界では、製造の柔軟性を確保できるファブレスが強みを発揮します。

アパレル・ファッション業界

アパレル・ファッション業界でも、ファブレスモデルは一般的な経営手法となっています。多くのアパレルブランドは、デザインや企画を自社で行い、縫製は海外の工場に委託しています。

ユニクロを展開するファーストリテイリングも、企画・販売に特化したファブレス型のビジネスモデルを採用している企業の1つです。季節ごとに新商品を投入する必要があるアパレル業界では、生産量の調整がしやすいファブレスモデルが効率的といえます。

ファブレス経営がもたらす今後の展望

ファブレス経営は今後も拡大を続け、製造業のあり方そのものを変革していくでしょう。グローバル化とデジタル技術の進展により、国境を越えた製造ネットワークの構築が容易になっています。

クラウド技術やIoTを活用すれば、遠隔地の製造現場との連携もスムーズです。AIやビッグデータ分析を用いた需要予測により、在庫リスクを最小化しながら効率的な生産管理も可能になります。

また、サステナビリティへの関心が高まるなか、無駄な設備投資を避け、必要な時に必要な量だけ生産するファブレスモデルは、環境負荷の低減にも貢献します。以上の理由から、今後もファブレス経営は多くの業界で発展すると考えられます。

まとめ

ファブレス経営は、製造設備を持たずに企画・開発に特化するビジネスモデルです。ファブレス経営を成功させるには、適切なパートナー選定と情報管理体制の構築が欠かせません。

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