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保全計画

保全計画の作り方|メリットから現場で使える作成手順まで徹底解説

この記事がオススメな方

主な対象:製造業の設備管理

  1. 設備の故障やトラブルが続き、「もっと計画的に点検しないとまずい」と感じている
  2. 点検の記録や進捗を、一つの仕組みでまとめて管理したい
  3. 設備台帳の管理、点検スケジュール、作業指示のやり取りを、もっと分かりやすく運用したい

こんにちは。現場の最適化を実現するソリューション「WORKFRONTシリーズ」で、品質向上・生産性向上・省エネ推進をご支援する日立ケーイーシステムズのライターチームです。

設備の故障やトラブルが続くと、生産性や安全性に大きな影響が出ます。本記事では保全計画の立て方と効果、さらに現場で役立つ運用のポイントを紹介します。計画的な点検を進めれば、点検漏れ防止やコスト削減、稼働率向上につながります。設備管理を改善し、安定稼働を実現するための第一歩として活用ください。

※本記事に記載のサービス・機能・サポート内容は一般的な情報であり、当社にて必ずしも対応を保証するものではございません。

保全計画とは?

保全計画とは、設備保全を円滑に進めるための指針です。設備保全は、機械や設備を正常な状態で稼働させるために行う点検や修理、部品交換などの活動を指します。保全計画では、これらの活動を体系的に整理し、実施時期や内容を明確にします。

たとえば、産業用ロボットのネジの緩み確認を6月に行う、モーターのオーバーホールを5月に実施するなど、具体的な点検や交換のスケジュールを定めます。こうした計画を文書化したものが保全計画書であり、設備の稼働率を維持し、突発的な故障を防ぐために欠かせません。

また、保全計画は「計画保全」や「予防保全」と混同されやすいですが、意味が異なります。保全計画は業務を進めるための計画そのものを指し、計画保全は保全部門が体制を構築する活動、予防保全は事故防止を目的とした点検や修理を指します。これらを区別して理解しておきましょう。

設備保全で保全計画が必要な理由

設備の故障は単なる機械の停止にとどまらず、生産ライン全体の停止や納期遅延、顧客からの信頼低下につながる恐れがあります。突発的なトラブルは売上への打撃だけでなく、補償や信頼回復にかかるコスト増加を招きます。

こうしたリスクを抑えるためには、定期的な点検や部品交換を計画的に実施することが不可欠です。保全計画を整えることで、点検漏れを防ぎ、設備の寿命を延ばし、作業者の安全を確保できるでしょう。

さらに、計画的な設備保全は緊急対応の工数を減らし、時間外労働の抑制にも役立ちます。このように、保全計画は単なる管理手法ではなく、経営を支える重要な仕組みなのです。

保全計画を導入して得られる5つのメリット

保全計画を導入することで、設備の安定稼働や安全性の確保、コスト削減など多くの効果が期待できます。ここでは、現場で実感できる具体的なメリットを5つ紹介します。

1. 設備の稼働率向上

保全計画を導入すると、生産ラインの停止リスクを大幅に減らせます。設備の点検や交換のタイミングを事前に把握できるため、生産ラインの短時間停止、長時間停止の発生を抑えることが可能です。設備の調子が悪い状態を放置すると、品質低下や重大故障につながります。長時間のダウンタイムが発生すれば、生産計画全体に影響が及ぶでしょう。

そこで、計画的な点検を続けることで故障の芽を早期に発見でき、生産を止めずに設備を動かし続けられます。稼働率が安定すれば、生産量の確保や納期遵守も実現しやすくなります。

2. 点検漏れの防止

保全計画には、設備ごとに必要な点検項目と実施時期が整理されています。作業指示書に沿って点検を行うことで、「ベテランだから大丈夫」「この設備は詳しいから」といった担当者の経験頼みの判断を防げます。

設備数が多い工場では、どの設備をいつ確認すればよいのか把握するだけでも一苦労です。気づけば重要な部位の点検が後回しになっていた、というケースは珍しくありません。計画に沿って進めれば、必要な項目を見落とさず確実に実施できます。また、点検漏れが減ることで重大インシデントのリスクも下がり、安全な設備運用につながります。

3. 保全コストと緊急対応工数の削減

計画なしで設備保全を進めると、突発的な故障対応ばかりに追われて修理費用がかさみます。予期せぬトラブルが起きれば、設備が止まって製造ロスが発生するだけでなく、急いで部品を手配したり外部業者に割増料金を払ったりと、余計なコストが次々に発生するでしょう。

その点、保全計画があれば、設備の不具合を早い段階で見つけられます。大がかりな修理が必要になる前に軽い調整で済ませられるため、重大故障を未然に防げます。緊急対応に追われることも減り、修理担当者の負担も軽くなるでしょう。長い目で見れば、設備保全にかかるコスト全体を抑えることにつながります。

4. 時間外労働の削減

設備トラブルが頻発すると、修理や原因調査に時間を取られて残業が増えていきます。担当者の負担が大きくなれば、疲弊してモチベーションが下がったり、最悪の場合は離職につながったりする可能性もあるでしょう。そこで、保全計画を導入しておくことで、点検作業を計画的に進められます。

急なトラブルでスケジュールが乱れることが減り、残業の原因そのものを減らせるでしょう。時間外労働が減れば従業員の負担が軽くなるだけでなく、人件費の削減にもつながります。設備担当者はもちろん、ライン運転に関わる従業員全体にメリットが生まれます。

5. 設備寿命の延長

長く安定して設備を使い続けるうえで、保全計画は欠かせません。設備は、適切なタイミングで点検や交換を行うことで、本来の寿命を最大限に延ばせます。摩耗部品の交換が遅れると、関連する部位の負荷が増え、結果として設備全体の劣化を早めてしまうことになります。

保全計画に基づいて定期的にメンテナンスを行えば、設備の状態を良好に保ちながら、故障しやすい箇所の摩耗を抑えられるでしょう。設備寿命が延びれば、更新投資のタイミングを最適化でき、中長期的な設備投資の負担も軽減できます。

保全計画を作成する4つの手順

保全計画は、以下の4つのステップで作成できます。それぞれの手順ごとの内容を詳しく解説します。

1. 設備管理台帳の整備

保全計画を立てる前に、まず設備管理台帳を整備する必要があります。設備管理台帳とは、工場にある設備の情報をまとめた資料です。設備管理台帳には、設備の名称や種類、導入時期といった基本情報に加え、点検が必要な箇所や点検周期、消耗品の部品番号なども記載します。

過去の故障履歴や修理日を記録する欄も設けておくと、トラブルの予兆を早めに見つけられるでしょう。設備に関する情報を一箇所にまとめておくことで、漏れのない保全計画が立てられます。

2. 設備ごとの点検項目と基準を設定

設備管理台帳が完成したら、次は各設備の点検項目と基準を決めましょう。台帳に記録した導入時期や点検周期をもとに、対象の設備の点検箇所や方法を明確にします。

たとえばロボットアームであれば、「非常停止ボタンが正常に作動するか」「バッテリーが劣化していないか」「モーターのグリスが減っていないか」といった具体的な点検項目を洗い出しましょう。

それぞれの項目について、年1回なのか半年に1回なのか、点検頻度も合わせて設定します。この段階で点検基準を明確にしておくことで、作業漏れを防げます。

3. 実施担当者とスケジュールの決定

点検内容と頻度が決まったら、誰がいつ実施するのかを決めます。対象設備の機能や点検内容を確認し、作業者のスキルやスケジュールを考慮して担当を割り振りましょう。それぞれの能力に合わせた適切な役割分担を行うことで、保全作業がスムーズに進みます。

担当者を明確にすれば責任の所在もはっきりし、作業の質も安定するでしょう。計画段階では、無理のないスケジューリングを心がけることが大切です。現場に負担をかけすぎると、かえって作業の質が落ちてしまいます。

4. 保全計画書と作業指示書の作成

点検内容、担当者、実施日程が確定したら、保全計画書と作業指示書を作成します。保全計画書は、いつ・誰が・どの設備の保全作業を行うのかをまとめた書類です。設備名称、点検内容、点検周期、実施日などを表形式でまとめると、抜けや漏れを防げます。

作業指示書は、現場で点検や整備を行う際に使う書類です。作業名、作業内容、担当者名などを箇条書きで記載し、必要に応じて写真も添えると伝わりやすくなります。

保全計画の際に押さえるべき3つのポイント

保全計画を作成したら、それで終わりではありません。計画を適切に運用し、継続的に改善していくために押さえておくべきポイントを3つ紹介します。

1. 法令や安全基準への適合

保全計画の前提となるのが、法令や安全基準を確実に満たすことです。労働安全衛生法や建築基準法には法定点検の頻度や記録方法が定められており、これを外すと事故発生時に企業責任が問われます。

具体的には、法律で定められた法定点検のスケジュールを計画に確実に組み込み、点検記録の保管方法まで明確に定めておく必要があります。法令や安全基準を計画の土台とすることで、法的リスクを未然に防ぎ、企業の社会的信頼性を守れるでしょう。

2. 点検・作業手順の標準化とマニュアル化

保全業務が特定のベテラン従業員の経験に頼っている状態は、非常にリスクが高いといえます。誰が作業しても一定の品質を保てるよう、点検項目や作業手順をマニュアルとして明確に標準化しましょう。

点検・整備の標準を定義し、作業標準に基づいた指示を出すことで、作業漏れを防げます。マニュアル化することで作業ミスが減るだけでなく、新人教育や技術の引き継ぎもスムーズになるでしょう。

3. 定期的な見直しとフィードバック

保全計画は作って終わりではなく、実施結果を踏まえた改善が必要です。点検後の状況や設備の稼働実績を見ながら、点検頻度を増減させるなどの調整を行いましょう。劣化が少ない設備は頻度を下げ、トラブルが多い箇所は監視を強化することで、無駄のない計画に育てられます。

改善点は次回の計画に反映し、PDCAを継続的に回すことが大切です。こうした見直しの積み重ねが、安定稼働と作業負荷の最適化につながります。

まとめ

この記事では、保全計画の作り方とメリット、運用のポイントを解説しました。計画的な保全活動を実施することで、設備の稼働率向上や点検漏れの防止、コスト削減などの効果が期待できます。

保全計画の運用には、設備台帳の管理や点検スケジュールの調整など多くの業務が伴いますが、紙やExcelでの管理には限界があります。

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