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AI×IoTで企業はどう変わる?導入メリットから活用シーンまで徹底解説
この記事がオススメな方
主な対象:製造業 生産管理・生産技術・設備管理・品質保証
- IoTによるデータの自動収集とAIによる処理を活用し、人件費や定型業務のコストを大幅に削減したい。
- センサー情報をAIで統合・分析し、現場の「見える化」を実現するとともに、迅速かつ正確な意思決定につなげたい。
- 自社でもAI×IoTを導入したいが、どこから着手すべきか知りたい。
こんにちは。現場の最適化を実現するソリューション「WORKFRONTシリーズ」で、品質向上・生産性向上・省エネ推進をご支援する日立ケーイーシステムズのライターチームです。
デジタル技術の進化により、ビジネス環境は急速に変化しています。その中でも、AIとIoTの組み合わせは、企業の競争力を大きく左右する重要な要素となっています。一方で、導入時のメリットや注意点、活用方法について疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、AIとIoTの基礎知識から組み合わせることで得られるメリット、導入時の注意点など、企業が知っておくべき情報を解説します。
WORKFRONT/IoTAIとIoTの基礎知識
AIとIoTの基礎知識を理解することは、これからのビジネスや生活において欠かせない視点です。まずは、それぞれがどのような技術で、どのようにつながっているのかを確認しましょう。
AI(Artificial Intelligence)とは
AI(Artificial Intelligence:人工知能)とは、人間の知的な活動をコンピューターで再現する技術の総称です。具体的には、学習、推論、判断、認識といった人間の知的機能を、機械が実行できるようにするものです。
AIの中核を担うのは機械学習と呼ばれる技術で、大量のデータからパターンやルールを自動的に学習し、新しいデータに対して予測や分類を行います。近年では、ディープラーニング(深層学習)という技術の発展により、画像認識、音声認識、自然言語処理などの分野で飛躍的な進歩を遂げています。
IoT(Internet of Things)とは
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、さまざまなモノがインターネットに接続され、相互に情報をやり取りする仕組みを指します。
従来、インターネットに接続されていなかった家電製品、産業機器、車両、建物などにセンサーや通信機能を搭載することで、モノの状態や周囲の環境をリアルタイムにデータ化できるようになりました。
その結果、これまで把握できなかった現場の詳細なデータが取得できるようになり、より精緻な分析と迅速な意思決定が可能になりました。
AIとIoTの違い
IoTは「データを収集する技術」、AIは「そのデータを分析し、判断する技術」です。IoTはセンサーやデバイスを通じて温度・位置・画像などの情報を取得し、現実世界の状況をデジタル化する「目や耳」の役割を果たします。
一方、AIはIoTなどで集められた膨大なデータを学習し、予測・分類・最適化といった判断を行う「頭脳」の役割を担います。どちらか一方だけでは成り立たず、組み合わせることでリアルタイム分析や自動化が可能になる点が特徴です。
AIとIoTを組み合わせるメリット
AIとIoTは、それぞれ単体でも価値ある技術ですが、組み合わせることで機能が大きく拡張します。ここでは、両者を連携させることで生まれる具体的なメリットを紹介します。
生産性の向上と業務の効率化
AIとIoTを組み合わせることで、企業の生産性や業務効率は飛躍的に向上します。特に製造業では、その効果がわかりやすく現れます。
たとえば、工場の生産ラインにIoTセンサーを導入すれば、機械の稼働状況や生産数、エネルギー消費量といったデータをリアルタイムで把握できます。
さらに、収集したデータをAIが分析することで、生産プロセスのボトルネックを明確化し、最適な生産スケジュールの自動生成まで可能になります。
リアルタイムなデータ分析と予測
AIとIoTを組み合わせる最大の価値のひとつが、リアルタイムでのデータ分析と高精度な予測です。
従来のビジネスでは、データの収集から分析、意思決定までに時間がかかり市場や現場の変化に迅速に対応しづらい状況がありました。AIとIoTが連携すると、目の前で起きている変化をその瞬間に捉え、判断へ直結させる流れが可能になります。
小売業を例に挙げると店舗に設置されたIoTカメラやセンサーが、顧客の動線、滞在時間、商品への関心度などの情報をリアルタイムで取得します。AIはそのデータを即座に分析し、当日に注目されている商品や混雑しやすい時間帯などを瞬時に把握できるようになります。
業務の自動化と人的ミスの削減
AIとIoTの統合は、業務の自動化を大幅に進展させると同時に、人的ミスを劇的に減少させられるというメリットがあります。たとえば、事務処理の分野を考えてみましょう。IoTで収集された各種データをAIが自動的に処理し、レポート作成や請求書発行を実行します。
この際、数値の転記ミスや計算ミスといった人的エラーが排除されるため、業務の正確性は格段に向上します。さらに、定型業務から解放された従業員は、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになるでしょう。
新たなビジネスモデルやサービスの創出
AIとIoTの融合は、単なる業務効率化にとどまらず、これまでにない全く新しいビジネスモデルやサービスを生み出す原動力となっています。たとえば、介護現場では、IoTセンサーやカメラで収集した利用者のデータをAIが分析し、介護の質を向上させる新しいサービスが誕生しました。
睡眠パターンや部屋・廊下での動きなどのデータから、転倒などの事故の予兆を早期に察知したり、利用者に最適なケアのタイミングを予測したりするサービスは、安全と質の高いケアという新しい価値を創造しています。
セキュリティの強化
AIとIoTの導入は、企業のセキュリティ体制を大幅に強化する効果をもたらします。従来のセキュリティ対策は、既知の脅威パターンに基づいた防御が中心でした。しかし、AIを活用すれば、未知の攻撃や異常なアクセスパターンをリアルタイムで検知できます。
ネットワーク上のトラフィックデータをIoTセンサーで常時収集し、AIが通常とは異なる挙動を即座に発見して警告を発します。結果として、マルウェアなどの攻撃にも迅速に対応できるようになりました。
AIとIoTを導入する際の注意点
AIとIoTを組み合わせて導入すると、業務効率化やミスの削減など、多くのメリットが期待できます。一方で、準備や運用のポイントを見落とすと、トラブルやコスト増につながるリスクもあります。ここでは、AIとIoTを安全かつ効果的に活用するために押さえるべき注意点を紹介します。
目的や課題を明確にする
AIとIoT導入の成功は、目的と解決すべき課題の明確化から始まります。多くの企業が陥りがちなのは、「他社が導入しているから」という理由での安易な導入決定です。明確な目的がない場合、システムは構築されても業務改善には結びつかず、コストだけがかさみます。
目標は「生産性を上げたい」といった漠然としたものではなく、「検査工程の不良品検出率を80%から95%に向上させる」といった定量的な設定が重要です。
スモールスタートではじめる
AIとIoTの導入は、スモールスタートが近道です。小規模で検証し、成果を確認してから段階的に拡大するアプローチは、リスクを抑えながら確実な成果を積み上げることができます。
小さな成功体験は、組織内の理解と支持を得る助けになります。具体的な成果は、技術の価値を実感させ、大規模な展開への賛同を引き出すでしょう。
人材の育成と確保を行う
AIとIoTを効果的に活用するには、技術を理解し運用できる人材の育成と確保が不可欠です。優れたシステムも、使いこなせる人材がいなければ、投資は無駄になるでしょう。
必要な人材は高度な専門家だけではありません。システム構築には専門知識が要りますが、現場でのデータ活用には基礎的なデジタルリテラシーを持つ人材で十分対応できます。組織全体のデジタルスキルの底上げは、非常に重要です。
セキュリティ対策を行う
AIとIoTの導入に伴い、セキュリティリスクも増大するため、包括的な対策は極めて重要です。扱うデータが膨大で、接続デバイスが増えることで、情報漏洩や不正アクセスのリスクが高まるためです。
データの暗号化やアクセス権限の管理などを徹底し、定期的なセキュリティ監査と脆弱性診断を実施しましょう。
個人情報を慎重に取り扱う
AIとIoTの活用において、個人情報の取り扱いは重要課題の1つです。大量の個人データを扱う性質上、プライバシー侵害や法令違反のリスクと常に隣り合わせにあります。
まず、個人情報保護法などの関連法規制を正確に理解し、遵守するのが大前提です。また、AI分析に個人データを使用する場合は、判断に差別的なバイアスがないか必ず検証してください。
AIとIoTがもたらすDX
AIとIoTの活用は、業務効率化や新たなサービス創出など、企業のDXを大きく加速させます。最後に、AIとIoTがもたらすDXの定義とメリットを紹介します。
DXとは
DXとは、デジタル技術やデータを活用して、企業の製品・サービスやビジネスモデルを根本から変革し、新しい価値を生み出す取り組みを指します。単なる業務効率の向上にとどまらず、組織の文化や運営プロセスまでを包括する広い概念です。
DXがもたらすメリット
DXの導入によって得られる主なメリットには、業務効率や生産性の向上、新たなビジネスモデルの創出、市場環境の変化への柔軟な対応力の強化、そして働き方改革の推進などがあげられます。
具体的には、手作業の自動化による作業時間の短縮やミスの低減、蓄積データの分析による意思決定の精度向上、さらに競争力の強化や顧客満足度の向上などが代表的です。
まとめ
AIとIoTの融合は、現代企業の成長に不可欠な原動力です。AIが「頭脳」、IoTが「感覚器官」として新たな価値を生み出します。成功には、目的の明確化や個人情報保護など、戦略的な取り組みが求められます。
DXを確実に進めるためには現場の「見える化」と既存システムとの柔軟な連携が鍵となります。こうした「見える化」や「システム連携」といった現場の課題を解決し、製造・建設現場の業務変革を具体的に実現するのが、当社のIoTソリューション「WORKFRONT/IoT」です。
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